ホークが撃たれるなんて!!
★★★★☆
スペンサー・シリーズの文庫最新刊です。
このシリーズ、スペンサー・シリーズと呼ぶように主役は言うまでもなく探偵のスペンサーです。白人でタフで凄腕で推理力だけはちょっと足りない(あくまで主観ですが)感じですが、主役を張っているのはスペンサーです。しかし、中盤以降からずっとホークという黒人の相棒が彼にはいます。ホークは調査をしたり聞き込みをしたりというのはあまりしませんが、おそらくはスペンサーよりも強く、ハンサムで女性には無条件に情報を聞き出せ、暗黒街の人間には威圧感与えることが出来るホークはワイルドカードのようなスーパーヒーローです。
そのホークが、こともあろうに、仕事中に背後からライフル弾で撃たれ、依頼主である親子を殺害されてしまうという失敗を犯すという、ありえないところから今回の物語は幕をあけます。これはホークを知らない人からすると、「ふーん」程度の話なんでしょうけれど、スペンサー・シリーズを読んでいる人間からすると、ウルトラマンが負けるよりあり得ないような話なんです。しかも、今回は背後から三発もライフル弾を打ち込まれ、下手をすると再起不能という所にまで追い込まれます。
プライドはズタズタ。身体もボロボロになったホーク。
しかし、当然ながら彼はそんな状態からでも、自らのプライドと託児所に預けられて唯一殺されなかったその親子の子供の為に、復活と反撃を誓います。「ほかの男たちと同じであってはならない」と告げて立ち上がるホーク。
相手はウクライナ・ギャングと地元の黒人街の顔役のトニィ・マーカスなども絡んでくるなどヘビー級の相手ですが、そんなのはどこふく風で立ち向かうホークや、この戦いにFBI経由で参戦するグレイマン(彼はかつてスペンサーを瀕死に追いやった強敵)などの前では、今回スペンサーは本当に脇役です。
最近ちょっとマンネリ気味だったこのシリーズですが、今回はホークが主役での戦いということもあって、かなり面白く読みました。感想としては二重丸。文句なしでした。
ホークの本です。
★★★★☆
スペンサーシリーズなので、スペンサーの語り口になっていますがホークが主人公です。
(ホークの主人公物もシリーズ化されればうれしい)
寡黙なホークがたくさん喋り(語り)ます。
ストーリーは面白かったのですが、ラストが自分にはよく分からなかったので星4つです。
だれか解説してくれないかなぁ。
次のストーリーはもうあるみたいなのですが、年1のリリースみたいなので次の冬がまちどおしいです。
ホークの物語
★★★★★
スペンサーシリーズの32作目。冒頭でいきなりホークが撃たれる。
リハビリを続け、プライドを取り戻そうとするホーク。
「おれは背中を撃たれるようなことがあってはいけない」「ほかの男たちと同じであってはいけない」など、ホークには珍しい内面の声が聞こえた。感情的、感傷的になるホークが、とても新鮮だった。スペンサーは、今回は脇役だ。
半分近くまで話が進み、ホーク、ヴァニイ、灰色の男が登場とくれば、「血の収穫」?それとも大銃撃戦?と、期待したが、意外にあっさりだった。アクションではなく、内面が描きたいのだろう。
スペンサーシリーズも競馬シリーズもそうだが、原作の面白さは当然のこと、訳者の菊池光の功績が非常に大きいと思う。へらず口トークや
お馴染みの会話の中に入る「え〜」とか、原作では何と言っているのだろう。