絵日記、壁新聞、紙芝居の実体化に続いて、
今度は十円やす君の描いた４コマ漫画が実体化する、という面白くもオソロシイ展開。
子どもの時は素直に笑って読めたけれど、今読むとちょっと不気味かもしれない。
挿絵がとにかくスバラシイ。単なる絵本の挿絵を遥かに凌駕している。
十円やす君のお父さんが物語の最後で垂れるお説教は、
漫画家を含むクリエイター職全般の核心を衝いていると思う。

残念ながらこの作品にはおなじみの「ぶた」は出てきません。
でも、「まんが」を取り上げたこの作品は
最初はまじめに身近な出来事を書いているけど、
そのうち十円やすは飽き足らなくなるわけで、
またもやみょうちくりんな出来事をこしらえていきます。

そしてそれは毎度おなじみではありますが
現実のものになってしまうのです。
今回はそのはっちゃけ度が前に出た本よりも
はるかにすごいのです。
それは最後のカラーイラストを見ればうなずけるかと思います。

ぶたは出ませんが
それなりに楽しめる本でした。