ザ・ウィグルズが世界中のクリスマスを祝う「Santa's Rockin」は、ジョン・フォガティ、バリー・ウィリアムズ、ロス・ウィルソン、それにマリアッチ楽団のモグエル一家（フェルナンド、フリオ、フェルナンディート・モグエル）らミュージシャンの協力を得ている。ザ・ウィグルズの4人組、グレッグ、アンソニー、マレー、ジェフとキャプテン・フェザーソードが派手なクリスマスのズボンをはいて、「ウィグリーな（くねくね動く）」ダンスを踊るトナカイといっしょに派手な舞台に立ち、いきなりおバカな歌「Captain Feathersword's Christmas Dance」を歌い出すオープニングから始まる。すぐにジョン・フォガティ（ギターとボーカル担当）も加わり、故郷と家族を称えてカントリー調で「Christmas All Over the World」と歌う。サム・モランが伝統的な「Baccarole」に新しい詩をつけて歌い、イエスが生まれた最初のクリスマスの朝の情景を表現し、赤ちゃんと両親の映像が流れるなか、ロス・ウィルソン（別名キング・モンド）がイエスの誕生を歌うオリジナル・ソングを披露する。どことなく素人くさいマリアッチ楽団がグアダルーペの聖女の歌を演奏し、スペイン語と英語で歌う「きよしこの夜」にザ・ウィグルズも加わる。ゲストの演奏のあいまには、おなじみのキャラクターの出てくる歌が繰り広げられる。サンタクロースのラッピングの助手という新しい役目をもらったタコのヘンリーの歌、贈り物にもらえるならバラがいいという恐竜のドロシーの歌、クリスマス・イブにひっきりなしに吠える犬のワグス（バリー・ウィリアムズも演奏する）の歌などである。例によって、ゲストの演奏は音楽のジャンル、テンポともにバラエティ豊かで、観客に新鮮な刺激を与え、多様な内容になっている。惜しいのは、今回の45分間の作品ではサウンドもムードも似ているものが選曲されているために、全体のトーンがかなり単調になり「サンタのロック」という題名に似つかわしくない内容になってしまっていることである。対象年齢2歳から7歳。（Tami Horiuchi, Amazon.com）