クラウドゲームをつくる技術 ―マルチプレイゲーム開発の新戦力 WEB+DB PRESS plus
価格: ¥0
(概要)
クラウドで,新しいゲームをつくるための技術解説書。
Webサイトの文書に端を発し,いまや人工知能に至るまで,クラウドはあらゆるものを飲み込んでいます。
ただ,ゲームだけは,クラウドの一部になることはありませんでした。
それは,1秒あたり60回,リアルタイムに更新し続けるという,ゲームの持つ,厳しく強い要件のためです。
しかし,通信技術が劇的に向上し,クラウドインフラが地球全体をカバーしつつある今,いよいよクラウドがゲームを飲み込む,その瞬間が訪れるかもしれない……と現実に考えられるようになってきました。
本書では,人気抜群のマルチプレイゲーム開発にスポットを当て,従来からのビデオゲームにおける画面描画のプログラム構造,クラウドにおけるソケット通信,という二本柱で基礎知識から丁寧に解説。
さらに,クラウドゲームという新たな設計思想で,何が変わるのかがすぐわかる,多彩な軸の7つのサンプルコードに加えて,実運用に求められる検証や性能改善のテクニックも,この1冊に凝縮しました。
これからの時代に合った,ゲーム開発について,新しい技術と実績のある技術とを,一緒に,ゼロから考えてみたい,そんな方々へお届けします。
『オンラインゲームを支える技術』の著者による全面書き下ろし。
(こんな方におすすめ)
・現在,ビデオゲーム産業に関わっている方々
・将来,ビデオゲーム産業に関わってみたい方
(目次)
第0章 [ゲーム開発者のための]レンダリング再入門――「ゲームプログラムはほとんど描画ばかりを行っている」
0.1 ゲームプログラムは画面をどのように描画しているか
0.2 レンダリングとは何か
0.3 リアルタイムレンダリング
0.4 CPUとGPU
0.5 グラフィックスライブラリ――OpenGL
0.6 補足:映像のエンコーディング
0.7 本章のまとめ
第1章 クラウドゲームとは何か――マルチプレイゲーム開発が変わる可能性が見えてきた(!?)
1.1 クラウドゲームとクラウドの基礎知識――クラウドゲームの定義,クラウドの実体
1.2 クラウドゲームでゲームの「何」が変わるか――クラウドゲームの技術的な特徴,ゲームの内容によらない変化
1.3 マルチプレイゲームで起きる“大”変化――マルチプレイゲームが簡単に実装できる
1.4 オンラインマルチプレイとクラウドマルチプレイの対比――ゲーム実装時,ネットワークプログラミングは不要になる
1.5 クラウドマルチプレイ最大の課題「インフラ費用」――クライアントレンダリング方式の導入
1.6 クライアントサイドレンダリングの基礎――ゲームの入力/処理/描画の分離
1.7 本章のまとめ
第2章 クラウドゲームのアーキテクチャ――実現したいゲーム×技術の適性を見定める
2.1 物理的接続構造――1:1/1:N/N:N/M:N
2.2 画面描画の実装方法――サーバーサイドレンダリングとクライアントレンダリング
2.3 ネットワークプログラミングなしでMMOGをつくれるか――「1:N」と「クライアントサイドレンダリング」が持つ可能性
2.4 クラウドゲームに向いているゲーム,向いていないゲーム――遅延と経済性
2.5 本章のまとめ
第3章 開発の道具立て――開発環境と2Dクラウドゲームライブラリとしてのmoyai
3.1 開発環境の基礎知識――ゲーム開発全般からクラウドゲームまで
3.2 moyaiの基本情報――2Dの新しいクラウドゲームライブラリ
3.3 [速習]各種ストリーム――クラウドゲームのための通信内容
3.4 目指すゲームとライブラリ設計のための緻密な見積もり――MMORTS/MMORPGを例に
3.5 moyaiライブラリの基本アーキテクチャ――レンダリング工程に沿った機能の分割
3.6 本章のまとめ
第4章 OpenGLを用いたローカルレンダリングのしくみ――moyaiの基礎部分。描画APIと内部動作
4.1 moyaiと汎用的な論理データ――レンダリング工程の第1段階
4.2 moyai内部のマシンに依存したポリゴンデータ――レンダリング工程の第2段階
4.3 本章のまとめ
第5章 スプライトストリームのしくみ――リモートレンダリング方式概論,スプライトストリームの基本設計
5.1 クラウドゲームと画面描画――moyaiが対応する画面描画の通信方式
5.2 スプライトストリームのなかみ――抽象度の高い情報
5.3 スプライトストリームの送信内容――min2dでmoyaiの動作を見てみよう
5.4 スプライトストリームのサーバー
5.5 レプリケーション×伝統的なMMOG
5.6 カリングとストリームのチェックサム――クライアントレプリケーションにおけるストリームの改ざんの検出
5.7 本章のまとめ
第6章 スプライトストリームの通信プロトコル――TCPによる送受信,ストリームのなかみ,関数群
6.1 スプライトストリームとネットワークレイヤー――レイヤー1?4,レイヤー5?7
6.2 レイヤー1?4:スプライトストリームの基礎部分――膨大な数の機材をつなげて,高品質な通信をどのように実現するのか
6.3 レイヤー5?7:スプライトストリームの送信内容
6.4 スプライトストリームとレプリケーション
6.5 スプライトストリームの関数(抜粋)――描画準備,実際の描画,サウンド/インプットストリーム/レプリケーションサーバー制御
6.6 本章のまとめ
第7章 [クイックスタート]クラウドゲーム――多彩な軸のサンプルゲームから見えてくる要所
第8章 [本格実装]クラウドゲーム――ネットワークプログラミングなしで,MMOGの実現へ