これからフュージョンを聴き進めようとしている人に!
★★★★★
フュージョン関連の書籍はあまり存在しないようですが、この本は始めてフュージョンに触れるという人にとって、とても良い指標となってくれるでしょう。
60年代後半から、現在に至るまでの、いわゆるフュージョンを代表するディスクを、洋邦問わず、1枚1枚丁寧で読み応えのある解説付きで紹介しています。偏りが少なく、良心的な一冊だと思います。
私が嬉しかったのは、日本のポンタ・ボックスのデビュー作が載っていたこと、ジャコパス関連の現在廃盤となっているCDの解説も載っていたこと、ジェフ・ベック、スティーリー・ダン、スティングなど、ロック側からのジャズへの接近作品も載っていること、などです。
ロックが好きだけどそろそろ一段上の音楽を聴きたい、ジャズを色々聴いてみているけどどうも刺激が足りずしっくり来ない、というような人には、フュージョンはまさにぴったりな音楽で、どこまでも深く探求していきたいと思わせる謎と魅力に溢れています。
この本では、その作品の解説の他に、アーティスト・バイオグラフィーが書かれており、更にそれぞれに演奏者の名前も載っているので、気に入ったプレイヤーがいたら、その人の参加している作品を集めていくという楽しみ方も、アリだと思います。
まさにフュージョンディスクガイドの王道となるべき一冊です。お薦めです!