やっと追いついた
★★★★★
先日の来日ライブをみて、何度もCDを聴き、やっと少しだけこのCDを理解することができた。
はじめてこのアルバムを聞いたとき、もうMewの深化,進化にはついていけないと思ったがまだなんとかなった。
結論から言えば、このアルバムはMewのメジャー1st「frengers」並の名盤である。
アレンジは違うバンドなんじゃないか?と疑いたくなる程の変化があった。
しかし、根本にあるMewのメロディーセンスと北欧らしい"ヒンヤリとしたかんじ"は健在である。
インスト3曲(厳密に言えばインスト2曲にボーカル入りの1分程度の曲が1曲)によって4部構成になっているコンセプトアルバム。
各パートがちゃんと区別されていて、とてもアルバムとしての流れがよくて聞きやすくなっている。
この妙に長いタイトルも、そのVo入りの1分程度の曲"Hawaii"から取られている。
因みに残りのインスト2曲はプログレ臭が凄まじいピアノ主体の曲となっている。
では、その4部構成をA,B,C,D面として解説してみようと思う。
A面
初っ端からヘンテコな曲"New Terrain"ではじまる。
この曲は逆再生すると隠しトラックとなるという凝りっぷり。
YouTube等にアップされているのでぜひ聞いてみてほしい。
因みに隠しトラックのタイトルは"Nervous"
2曲目は前につんのめりそうなリフと変則リズムが複雑に絡み合う"Introducing Palace Players"
先行EP"No More Stories EP"に収録されていただけありとってもキャッチーである。
そして同じくキャッチーな"Beach","Repeaterbeater"と続く。
B面
このアルバムで1番一般受けすると勝手に思い込んでいる"Silas The Magic Car"と
このアルバムで1番長い曲である"Cartoons And Macram Wounds"の2曲で構成されている
長い割りには決して聴き難くなく、むしろ3分程度のポップソングを聴くような感覚で聞ける。
聴くたびに改めて本当に滑らかなアルバムだなと思う。
C面
ここはこのアルバムで一番難解なパートだ。
実のところ、まだイマイチ理解できていないというか、曲をみ込めていない。
とても個性的でカラフルな曲を集めた印象を受けた"Hawaii Dream"と"Vaccine"
ライブでのバックで流されていた映像の印象が強すぎて曲のイントロを聴いただけで頭の中でそれが流れる"Tricks Of The Trade"
まあ、このパートはごちゃごちゃしているのが特徴のパートと解釈しておこう。
D面
サビのHere we goが頭から離れない"Sometimes Life Isn't Easy"
この曲もかなりのお気に入りである。
歌詞は決して俺の解釈している曲のモチーフとは違うのだけれども
前に進もうだとか、壮大な感じだとかが凄く伝わってくる曲。
そしてアルバムを締めるのが"Reprise"
タイトル通り"Silas The Magic Car"と同じメロディーをRepriseしている。
いままでのアルバムみたいな壮大な曲ではないが幻想的ではある。
アルバムを終わらせる曲ではなくアルバムの1番はじめにリスナーを連れ戻すような曲。
全体的にギターは鳴りを潜め、リズム重視、ピアノも多用したアルバムとなっていた。
1stや2ndのようにアルバムを締めるような曲はないものの、構成がしっかりしているのでダレずにアルバムを通して聞ける素晴らしい作品であったと思う。
そして日本盤には先行発売したEPに収録されていたアルバム未収録曲3曲がボーナストラックとして入っているのも嬉しいところ。
まあ、アルバムの曲と比べるとそこまで出来が良いわけではないが、EPが入手困難な状況なのでファンの方は日本盤を購入することをオススメする。
次の4th Albumでは一体どんな深化、進化をしてくれるのか非常に楽しみなバンドである。
願わくば、「Frengers」路線のアルバムをもう一枚聴いてみたいところ。