傑作デビュー・アルバム『フレンジャーズ』から2年半、
2ndアルバムで失速してしまうバンドの多い中、
彼らは、勇気を持って大胆な世界観に
チャレンジしてきた。
内面の闇に広がるダークなテイスト、
プログレを思わせる壮大な展開と美しさ、
タイトで剥き出しのロック・スピリッツ。
それらが、彼らの持ち味である繊細な透明感と共鳴し
耽美で神秘的なロック・オペラを
高い完成度で作り上げている。
歪みながら、飛翔する大胆さと
湖面の波紋のような静けさ。
デビュー作の延長線上を期待していた人には
たぶん衝撃を与えるだろうが
聞き込むうちに、きっと納得がいくだろう。
彼ららしさが絶妙に織り込まれているからだ。
そして、深さと厚みを増したサウンドと
ダークな中毒性の魔力に取り憑かれるかもしれない。
日本盤の日本語ボーナス・トラック
「White Lips Kissed」を聴くと
彼らの誠実さ・真摯な姿勢がよくわかる。
相当練習したであろうヴォーカルは
これまで多くなされてきた
海外アーティストによる
いい加減な日本語とは一線を画す
素晴らしい出来。
ジャケットのアートワークの
出来の悪さだけが残念だ。
"She Came Home For Christmas"や"Comforting Sounds"のような、完全に高みへと突き抜け完結する楽曲を数多備えたデビュー盤も鮮烈だったが、作品トータルとしての完成度を見れば、今作とは比較にならないだろう。荒々しくも柔らかで、眩暈のするような昂揚感が横溢する素晴らしい作品だ。
だけど、ながーく聴けるアルバムになりそう。
静かなんだけど、ノイジーなギターはバックでずぅっと炸裂してる。
なんつーかジワジワと脳に染み込んできて、心地良すぎる不協和音とでもいうか。。
北欧特有?の静と動がうまい具合に絡み合い、安らぎを与えてくれる。
一方で、生への強い衝動みたいなものも感じる。
うーん、いい意味で化けたな。
全然違うけど、MansunのSIXを思い出しました。
ルックスやら声で女の子から人気あるのはわかるけど、ヤロー含め万人に通用するロックだ。
特にこのアルバムでの数少ない疾走感溢れる曲であるapocalypsoは文句なしにカッコイイ。
聴いてると、遠くに逃避したくなるような。。
北欧にまたひとつ、グレイトなアルバムが完成した。。