コンテンツの魅力を最大限に引き出す。
★★★★☆
「ニュースを作る」っていうPR手法が人の記憶の蓄積を生み、
ブランドを生み出すひとつの手法だということが感じられる。
そして大事なのは、コンテンツ(商品)自体が魅力的であること。
ゼロをイチにすることはできない。
前園真聖ではなく、中田英寿だったからこその合気道。
偶然を必然に
★★★★★
選手たちが本来の事柄に全精力を傾けられるように、
ただそれだけでなく引退後もふまえた価値の増大をはかれるように、
ステイ・アット・シャドーの精神で、
マネジメントする。
PRの発想でビジネスとしても成功させる。
中田がクライアントになったのも偶然。
その偶然を、上場会社にまですることにもっていけたのは、
この次原社長らの揺るぎないポリシーと実行力による必然。
興味深く読めました。
スポーツビジネス論文
★★★★☆
サニーサイドアップ代表取締役社長次原悦子による学位論文を書籍化した一プロスポーツ選手とマネージメント会社の関係を確立させた記録。中田英寿他、前園、為末、故飯島夏樹ら所属アスリートの記録も交えて解析されている。随所にコメントが入り理解し易くまとめられている。内容的には引退後の関連本に含まれていることも多いいが論文ならではの詳細なデータ分析等による解説が興味深い。
ブランドビジネス
★★★★★
ブランドビジネスという点で大変勉強になった。
中田がマネジメントを委託しているサニーサイドアップという会社は 中田が有名になるにつれて知名度を上げたわけだが 正直何をしているのか知らなかった。本書を読んで 良く分かった。
中田は サッカー選手を超えた地点で 多くの人の共感を得てきた。そんなNAKATAというブランドを 中田本人とサニーサイドアップが どうやって育てたかというのが本書だ。
実際中田は スポーツ選手らしからぬ「戦略家」として 20世紀末から現在に至るまで そのNAKATAというブランドを確立した。そんな中田に対して サニーサイドアップは 安易な商業主義だけで 中田とコラボしてきたわけでは無い。NAKATAというブランドを育成し守ることと 中田本人を育成し守ることとの 極めて微妙な地点に立脚した「商業主義」を展開している点には感銘を受けた。単純な「商業主義」だけであったなら とっくにクレバーな中田は決別していたろう。
それにしても 改めて「個人のブランド化」を考えた。僕らも会社でよく
「何かのプロフェッショナルになれ」
「これだったら こいつに聞けと言われる何かを一つもて」
等と言ったり言われたりするわけだが これは良く考えると 「自分をブランド化」するという事を意味しているのだと思う。自分をブランド化するという点ではサッカーも会社も同じなのかもしれない。
そこまで思って改めて中田英寿とNAKATAというブランドの関係を考えて見ると これは真に勉強になる。僕らはサラリーマンなので サニーサイドアップと契約するわけにもいかない。しかし 何を自分ですれば良いかという点で 大変示唆に富む本だ。