廃校になる学校で起こる７不思議。生徒たちがついに犯人を突き止めるが、その犯人とは・・・超以外。

廃校間近の山奥の小学校。最後の終業式、校長は学校の七不思議を語り出す。校庭の大岩が歩く、絵の中の少女が１人増える…。そして夏休み、七不思議が本当に起こって…！　川で泳いだり、風の吹き込む部屋でゴロゴロしたりと、夏の風景が懐かしい。事件が血なまぐさくなく、憎むべき悪人もいない。犯人の動機も微笑ましくて、ミステリーとしては珍しく心和む作品です。

廃校になってしまう小学校での最後の夏休み。学校で次々と七不思議が起こる。こんな学校で学びたかった、と思う、ほのぼのした話です。

　廃校間近の学校で繰り広げられる、学校の七不思議について小学生が謎を解明する爽やかミステリー。
　要するにエグくもなく、皮肉れた謎解きもない。あったとしてもユーモアを忘れてはいない。
　そして、なによりも、謎がワクワク感があり謎が持続性がある。たとえ途中で謎解きが見えたとしても、きっと最後まで登場人物を見守りたくなる作品。
　はやみね氏のミステリー好きも伺える作品。
　子供をミステリー好きにさせるにはこの作品！

内容は、一学期の終業式、今日限りで廃校になる大奥村小学校最後の日、校長先生は全校児童六人の前で「学校の七不思議」の話をする。そして夏休み、七不思議が次々と起こる！はやみねかおるさんのホームページで見た「幽霊バス」の話が出てきてビックリな出だしでした。細部は変っていたように思いますが・・・。そして夢水清志郎シリーズの原点といえそうな作品やと思います。主人公が小学生ということもあってか、ちょっと文章が幼い？気がしました。しかし、２０年前の作品からも、今のはやみねさんの作品と同じやさしさ、想いを感じ取る事が出来ました。読者への挑戦もあるし・・・。廃校を前に、先生と生徒の学校への想い、たった６人の生徒だからこその、年の差があっても仲がいい関係、その中での恋愛等・・・たくさんの要素が詰まっててかなり面白かったです。