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読むと書く―井筒俊彦エッセイ集

価格: ¥6,090
カテゴリ: 単行本
ブランド: 慶應義塾大学出版会
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貴重な労作 ★★★★★
 著作集未収録の文業70篇を集成した労作です。知る人ぞ知る碩学の仕事の全貌を窺うための基礎としてまことに貴重な作業であって、ややもすると過度に神話化されたり、ステレオタイプな評言で祀り上げられてきた井筒俊彦という思想家の実像に近づく手立てができました。編者若松氏、協力者岩見氏の労を多としたいと思います。
 たとえばベルナルドゥス論や師友への追悼文ひとつ採ってみても、「情熱/受難」の人となりが浮かび上がります。歴史を突き詰めた末にあえてタイポロジーを選ぶというその方法もしかり。稀有なことです。
 少なからぬ英文著作の翻訳を俟って、名実ともにopera omnia が完成する日を楽しみにしましょう。主著のひとつ『神秘哲学』の復刊や、若松氏による井筒論も近々、同じ版元から出るらしいので、併せて。
「井筒俊彦」入門の書 ★★★★☆
本書は、「井筒俊彦」を知るための入門書として最適でした。
東洋思想と西洋思想との「対話」をつくり出そうとしていた世界的なイスラーム学者・・・と言われるとなかなか取っ付きにくいかもしれませんが、彼が習得した世界の言語について、その生い立ちや交流関係について分かりやすく綴られたもので理解しやすい構成でした。井筒俊彦を読み進めるにあたって有益な一冊です。なお、編者の若松氏は「井筒俊彦 入門」というコーナーも設けられているようです。「井筒俊彦 入門」 http://www.keio-up.co.jp/kup/sp/izutsu/

神秘哲学 (井筒俊彦著作集)
井筒俊彦理解のための最終奥義の書 ★★★★★
 本書の帯には、「井筒俊彦入門に最適の一冊」と書かれている。

 中央公論社版の『井筒俊彦著作集』には収められていなかった、濃密ながらも簡潔で読みやすいエッセイが多数収録されている本書は、確かに「井筒俊彦入門に最適の一冊」の名に違わない。

 だが、本書は、単なる「入門書」ではない。『著作集』に収められている彼の諸々の作品を真に読み解くための鍵が、本書には隠されているのだ。若き日の知的彷徨、師友との出会いと別れ、世界的な学者たちとの知的交流。これらすべてが、井筒らしい流麗かつ情熱的な文体で語り明かされていく。その一つ一つのエッセイの中に、我々は、知恵が実存的に溌剌と躍動している一人の文人哲学者の人格の全体像を生き生きと垣間見ることができる。

 その意味では、本書は、井筒俊彦の知的達成の全貌への鍵を初めて与えてくれる書、我々の井筒俊彦理解をその究極へと導いてくれる最終奥義の書とも言えよう。

 編者・解題者の若松英輔氏は、若手の文芸批評家だが、単なるアカデミズムの専門学者には持ちにくい豊かな直観に基づいて、多様なエッセイを、簡潔かつ的確に、井筒の全体像が自ずと浮き彫りになってくるような仕方で分類しているので、本書は、多様でありつつもまとまりのあるエッセイ集となっており、いわば、故・井筒俊彦の新たな作品ともいうべきものに仕上がっている。

 2009年に刊行された哲学思想系の書物の中で、最も注目に値する一冊である。
小さな「井筒俊彦著作集」 ★★★★★
 この一冊は、まるで小さな「井筒俊彦著作集」のようです。井筒俊彦は自分を語ることに慎重な人物だと思われていましたが、『読むと書く』では、ときに、ほとばしるような鮮烈な文章で内心を吐露しています。
 また、これまで語られることの無かった、鈴木大拙、西田幾多郎、西谷啓治などの日本人思想家の交流、あるいはマシニョン、コルバン、デリダなど同時代の海外の学者、思想家との交わりも明らかになります。
 宗教との関わりでは、中世の神秘家ベルナールを論じた「神秘主義のエロス的形態」や詩人ポール・クローデル論などからは、ある時期、彼がキリスト教に熱情的に接近していた事実を読み取ることができます。
 西脇順三郎、池田弥三郎といった師友との日々を語った文章では、彼の死生観をも垣間見ることが出来、また、言語学、イスラーム学、哲学、それぞれの分野で彼がどのような軌跡を経てきたのかも、本人の言葉で語られ、哲学者井筒俊彦誕生の秘密の一端が明らかになります。
 井筒俊彦の読者は、既刊の書籍に、この1冊を加えることで、「井筒俊彦全集」邦文編を完成することができます。井筒俊彦の名前や彼の思想に興味を持ちつつ、これまで著作を手に取ることの無かった人にとっても、最良の入門書であり、読後には愛読書になるでしょう。
 本書の刊行をもって、井筒俊彦研究はやっと基盤が整ったといっていいと思います。
すでに話題の一冊。 ★★★★★
デリダにも影響を与えた世界的なイスラーム学者、言語哲学者である故井筒俊彦の貴重なエッセイ集。
イスラーム研究から世界の言語、宗教、哲学、文学......それだけでなく、これまでほとんど語られることのなかった自身の生い立ちや交流関係まで、みずみずしい文章で綴られています。
こんな井筒俊彦の入門サイトを見つけました。本書の編者による連載です。
http://www.keio-up.co.jp/kup/sp/izutsu/index.html