見た目は変だが、あなどれない良書。
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ハリウッド映画が自重に苦しむ恐竜のようになっていく一方、近年、CGも、アクションもない『ブレアウィッチ』や『ナポレオン・ダイナマイト』のようなインディーズ映画が好調です。この傾向は、日本でも見られます。
この本は、いわゆるクレジットカード・ディレクター(カードの後払いで製作費を調達するシロウト映画男)の本です。ノリは、ファビュラス・バーカー・ボーイズのような、アナーキーな月刊宝島調で、ものの言い方にも、かなりクセがあります。文体だけで拒絶反応を起こすかもしれませんが、書いてある内容は、機材選択が古すぎることを除けば、おおむね妥当です。フィルムを扱い、撮影を行うに当たって、初心者が知らないコツ、忘れがちなポイントについては、かなり的確に丁寧に書かれています。こういう実践的な話を網羅的に書いてある類書は、日本にはほかにありません。(プロは分業なので、意外に自分以外の分野を知らない。)
事情は、アメリカと日本で異なるところもありますが、映画のツボは同じです。自分で映画を作ろうとしている大学や高校の映研の学生は、読めばかならず役に立ちます。
くそオモろすぎっす!!!
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いや面白い!!って言うのはコレが映画作りに役に立つとかそういうことも含めてだがなんつーかこのブレット・スターンなる人物がぶっ飛び過ぎかつファニーかつクールで実にアメリカンなわけ。犯罪を誘発するような発言、社会への攻撃なんかがハナシの半分を占めてる感じで執筆によって自分のダチを増やす事が第一目的って感じ。「あんた(スターンは読者の事をこう呼ぶ)の映画はどうあがいてもロクな物になりようが無いけどそれを嘘とハッタリで次回作の資金を稼げるようなシロモノに仕立て上げる」見たいなことを始終わめいて、それでいてちゃんと百万円で映画を仕上げる方法を伝授しているんだから実にお得な一冊(ただ日本で映画を作ろうとしている「あんた」には全く役に立たないかもしれないがね)。クレイズィーなモノを読みたいあんたにはぴったりな本ってワケさ。