インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

たった1%の賃下げが99%を幸せにする

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 東洋経済新報社
Amazon.co.jpで確認
賃金だけでなく、日本のあらゆる問題に大胆に切り込む ★★★★☆
 1%の賃下げと言っているが、実は日本型年功賃金制度で最も収入が多くなる45〜55歳が受け取る賃金の1%をカットして非正規雇用者に振り向けるだけで日本が抱える多くの問題が解決されるとする内容である。

 日本の問題、それはフリーターの増加・高年齢化や少子化、エリート学生の製造業・公務員離れ等である。これらを解決するために、報酬とポストの分離を実現し、賃金の下方硬直性を無くせと訴えている。

 具体的には、抜擢人事の実施、ポストと報酬の分離、高年齢層の賃金抑制、あるいは成果に合わせた減給や降格、大学と連携したビジネス教育の充実化、それに伴う大学制度と企業人事政策の改革と、挙げればきりがない。組合が正社員の既得権益を守ることが、派遣社員の増加、購買力低下と巡って業績悪化に繋がっているとしたら、組合と会社は自分で自分の首を絞めている。また、力のある学生はこのような会社には既に入社しない。東大を始めとするエリート校の出身者が外資系、ベンチャーに流れ、滑り止めとして製造業を捉えている現状を企業人はどう考えるのか。
 多少過激かもしれないが、これらの改革さえ実施すれば日本の未来は明るいと言っているのだ。世界には未来への希望も展望も持てない国も多いのだ。少々の既得権益を手放すことで日本全体が幸せになれるなら、考えても良いんじゃないだろうか。
団塊ジュニアしか得をせず、若者が一番損だった提案 ★★★☆☆
上の世代の既得権益というが、城さんら世代より若い私からみれば、団塊ジュニアの既得権益を守れという内容にしか見えなかった。この本に書いてあることが実行されて、誰が一番得をし、誰が一番損をするのか?一番得をするのは団塊ジュニアであり、一番損するのは団塊ジュニアより若い層だ。彼らの世代は、先の世代の雇用破壊を、今度は自分たちだけに有利な形で繰り返そうとしているだけなのだ。すでに彼らは若者ではなく、中年の域にあり、社会の中で一定の社会的権力をもってしまった。彼らの議論では、彼ら中年だけしか得をせず、若者は割を食う。問題は著者のスタンスである。著者は東大卒で知識がある。ゆえに、それを理解していてこのような提案をしている汚い人間なのか、それともそれに気づけておらず知識に溺れているだけなのか。後者であることを切に願うばかりだ。
正社員と非正規という見えにくい対立 ★★★★★
巷では「派遣村」とかなんとかで「社員の首を守れ」みたいな論調が強い。
だが、社員を解雇しにくくしたら、代わりに新しい社員が雇われにくくなってしまうという事実が見逃されている。
現在の会社は年功序列システムをとっているため、若い人がわりを食ってしまうのだ。
昔なら年功序列で全員きちんと雇って全員幸せとなれたが、今はもはやそういう時代は終わった。

その時代の終焉のあおりは、非正規などといった形で表れている。
また若者は、年功序列システムでは成果を認められないし、好きに働くことすらできないことに気付き始めているため、若者は海外に逃げてしまう。
雇用の保護というのは年功序列でたいして働かずとも金をもらう、上に立つ人間を守り、下の若者を切り捨てていくのだ。

だからここで、いったん既存の制度=年功序列を御破算にし、労働規制の大幅緩和をする必要がある。


というのが本書の大枠である。

大筋では納得するが、一点だけ気になったところを。それは、今年功序列で得をしている層というのは、昔は年功序列のもとで正当な能力を認められなかった人のはずなので、今実力給に変更したら、その人は人生トータルで見たら損益になるのではないか。そう考えると、筆者の議論は、損益を今の世代から一つ上の世代へと移すことになってしまわないだろうか。

労働規制がない方が正常だというのは非常に納得するし、そうしないと国際的に負けてしまうのもわかるが、そういう側面もあるのではと思った。
労働者の雇用を守ることを考えよ! ★★★★☆
本のタイトルから見れば、何のことかと思うが、著者の本で今までに述べられ
ている、“年功序列・終身雇用”に関する延長線上の本と言えるでしょう。

本書では、今までの、「年功序列・終身雇用」が崩壊し、「成果主義・能力主義」
への変化の一辺到から脱却し、非正規雇用労働者の問題までも含めた、現在の、
労働者の実態を掘り下げた内容となっています。
氏の、考え方も、変化してきています。
このため、読み応えのある内容となっています。

日本の雇用制度は、公務員が主体となって、自らの保身を守ることを優先的に
考え、築き上げられているため、公務員が既得権を放棄(キャリア,ノンキャリア
といった言葉がなくなる)しなければ、『年功序列・終身雇用』制度を基本とした
雇用制度は、いろいろと形は変えても、残るのは間違いないでしょう。

日本経済のマイナススパイラルを突き止められる ★★★★★
1%の賃下げとあるが、給料を下げても
彼らにマイナスになるとは限らない。
なぜなら、

賃下げをすれば日本全体がよくなり、
医療や介護の保障が手厚くなる可能性があるから。

詳しく見ると

1.今までの「年齢給・終身雇用」は高成長期にしか適用できない。
  それを今も維持しているため、
  ↓
2.正社員ではなく非正規社員を増やす
(低賃金・低保障)
  ↓
3.若い世代の負担となり、結果的に
  →晩婚化・少子化・保険料未納を増長
  ↓
4.医療や介護、老後の年金の原資(人・金)がなくなる。
  ↓
5.高齢者が老後に不安を覚え、既得権を守る
(年齢給の確保、国債発行を続行など)
  ↓
6.日本経済の悪化& 2.に戻る

という悪循環が
今の日本経済・雇用・老後保障・医療・介護に影響を与えている。

老人が悪いとか、若者が悪いとかいう議論は無意味。
卵か、にわとりかというだけの話。

ただはっきりしているのはどこかにメスを入れないと、
全員「不幸行きのトロッコがブレーキをつけずに進み続ける」と言うこと。

筆者はそのメスが
「年齢給の廃止(段階的措置も含む)」だと述べている。

・これはかなり説得力があるし、少ない犠牲で多くの効果があると思う。
・ただそれをさせまいとする人や情勢がある。
どちらも重要な話でこの本はとても良くまとめている。

労働問題だけでなく、日本全体の様々な制度疲労に
関心がある人には是非オススメ。
政治家には是非読んでもらいたいが、彼らを選ぶ有権者も読むべし。