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ペドロ・パラモ (岩波文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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買いです。 ★★★★★
いくつもの円環と、さまざまな解釈を引き出せそうな多義性、象徴性によって編まれた物語です。解説によると、70の断片によって構成されているとのことですが、それぞれのエピソードを縁取っているラテンアメリカ的な「死」の乾き具合もまた、われわれの目からとかく隠蔽されがちな「死」の本質を示唆しているようにも読めました。保坂和志氏のなにかで知ってチュッツオーラの「ヤシ酒飲み」と一緒に十年くらい前に読んだのが最初で、そのときは凝縮された、物語の密度に息苦しさを覚えた記憶があるのですが、今回は小道具や伏線によって読者を飽きさせない、作者の巧みさが印象として強く残りました。いかにも多くの研究書や解説書を産みそうな、余白や意図的な縺れに満ちた作品ですが、一読者としても長くつき合えそうなたいへん良質な物語です。
「百年の孤独」と並ぶ、、、 ★★★★★
とても短いのですが、とても濃厚な作品です。そしてとても深い印象を受けました。
その深みといったら、、、なんだか凄いんです。
不必要なものは一切無いと思うのですが、
迷い込みそうなほどの幻想的な雰囲気です。すごい異様な感じがあって、、、
「生」と「死」とか、「過去」「現在」すべてが曖昧で、なんだか危険な感じがしました。
ただならぬ雰囲気です。
その人その人の言葉にも「何か」がこもっていて(疲れや孤独とか)、ずっしりと来るものがあると思います。
文章からその質感までが伝わってきそうな感じです。
(ずいぶん昔に読んだので忘れてしまっている部分も多いですが、でも「湿った感じ」といいますか、質感みたいなものが曖昧ですが自分の中の深い部分で残っています。)
「百年の孤独」と並ぶ、ラテンアメリカの文学を代表する作品のひとつだそうです。
再読推奨 ★★★★★
 本文と解説を読み終えて、もう一度読みなおしました。単に前衛的、実験的とするにはもったいない小説です。生者と死者、現在と過去の意識の断片が交互にあらわれて、ペドロ・パラモと死に絶えた町コマラに肉付けをしていきます。
 スペイン語圏の作家のなかでは、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』と並び賞される作品なのだそうで。たしかにエピソードの多彩さはゆずるものの、現在の語りと過去の語りを同時進行に行うことで、コマラのなかでの時間の経過、盛衰、人の生き死や愛と罪、そして荒涼としたメキシコの現実を、たった200ページの物語に凝縮しています。最初は独特の文体に戸惑って気付けないところもあると思うので、再読してその巧妙さを確認されることをおすすめします。
ラテンアメリカ古典・・・叙述トリックの古典 ★★★★★
語り=騙りはやはりラテンアメリカでしょう。
語り=騙りは、最近はもう叙述トリックばかりですが、やはり根っこは文学にありきなのです。
あのネタもこれからぱくったのかなあ、と色々想像でき、ミステリファンも色々楽しめます。

名作は懐が深い、と感じられる作品です。
コンパクトなテキストに閉じこめられた広大な世界と歴史 ★★★★★
本書の他に短篇集『燃える平原』しか発表していない、極度の寡作家ルルフォの代表作。六〇年代における新しいラテンアメリカ文学の隆盛の前哨を成す極めて重要な作品です。
解説に「コンパクトなテキストの中に膨大な空間と時間を閉じこめる」という表現がありましたが、七〇の断片がアモルファスに集積した本書のスタイルは、まさにそのような効果を実現しています。小説としては確かに小振りですが、その世界の規模と奥行きはガルシア=マルケス『百年の孤独』に迫るほどです。過去/現在/未来、自己/他者、生/死がすべて等質に扱われ、抽象/具象を超越した斬新な表現に到達していますが、演繹的な実験ではなく自らの体験やメキシコの現実から帰納して獲得されたものであり、地に足のついた安定感と確固たる説得力があります。
ちなみに本訳は二〇年かけて何度も推敲されたものだそうです。原語との対応は分かりませんが、文章自体はよく練られており完成度は高いと思います。