読み手の目線で、事例が豊富
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「介護予防ケアマネジメントにコーチング?一体、どんな風に・・・?」これが、最初の素朴な疑問でした。作業療法士の私は、
昨年からコーチングを学んでいます。ビジネスコーチングモデルをどのような患者さんや利用者の方に応用していくのか、迷うことが多くて困っていました。そんなときに出会ったのが、この「コーチングを活用した介護予防ケアマネジメント」です。この本は、地域包括センターの保健師さんが、コーチングの研修を受け、現場でコーチングを活用した事例をもとに、まとめられています。読んでいくうちに、いつのまにか最初の疑問が消えていました。
以下は、読後の率直な感想です。
・色々コーチングに関する本は読んだが、この本のコーチングスキルの解説が、もっとも分かりやすい。
・徹底して、現場の目線で書かれている。
・事例が豊富で、しかも身近な内容なので「コーチングスキル、これなら使える」「使ってみよう」とモーティベーションが上がる。
・「コーチングって、こんな風に使えるのね」という安心感と満足感が得られる。このスキルを習得すればこれまで以上に「利用者の意
欲を効果的に引き出す」ことができるのではないか、と思う。
・ケアマネジメントの関係者はそれぞれが利用者の重要なリソースであるため、相互の円滑な連携が欠かせない。コーチングスキルは 連携を深めるための有効なツール。
この本は、介護予防ケアマネジメントに携わる方だけではなく、医療や福祉で対人援助を行っている方々にも、まず手にとっていただきたい一冊です。