小さなことがひとりの思いから始まり、同じ思いや志を持つ人が集まり、組織の中にさざ波が立ち、
それが大きな変革につながる。そんな映画のようなエピソードが日産、NTTデータ、松戸市役所
などの堅そうな組織に現実に起きていました。インタビュー部分を読むと、どの人物も等身大で、
とても清々しい印象です。
強制されず、人の内側から湧き出てくるエネルギーは本当に力があると改めて思いました。
元気がもらえます。

「やるぞ！」と意気込んでも、一ヶ月後にはその意識が消滅していたり、「また出来ない自分」に対面したりすることが多い。しかしこの本では、一時的ではない、組織で働く一人ひとりの心の中にある「種」のようなものを育て、より大きな木へと育てていくプロセスが事例を持って描かれているのが面白かった。
しかも、仕事とプライベートといった分野を区切った話ではなく、「その人そのもの」としてただ毎日を生きているようだ。
モリモリガリガリがんばって変化を起こそうとするのではなく、本当にわたし自身が日々の普通のこと（?）を繰り返し重ねていく中で意味を見つけられたら、それで組織全体も変化していくのだと思える、正直ちょっとホッとする本。なんでか、しばらくしてフトしたときに思い出すことが多い。

昨今組織の元気が無いと言われ、売上の伸び悩み、人の内面的な病などが挙げられています。一方、「人」や「組織」の活性化などに関する手法やその導入などが研究されている。
この書籍は、今までの切り口とは異なり、「公私混同」ではなく「公私混合：ハイブリッド社員」や「場作り」、ラインとは異なるインフォーマル組織（グループ）の大切さを事例を上げ確認している。
元をたどれば「人」は大切だと言われるが、その「人」の「やりがい」と組織のミッションとどのように連関させて考えるのかなどについては、なかなか明快なストーリーが乏しい中、著者はその点からも明らかにしている点が、多くの立場の方に共感を得ると感じた。
広範囲な年齢層にお勧めしたいが、経営者、管理者の立場の方にも一読をお勧めしたいと感じた書籍である。
これからの組織開発、人材育成を考え実践する上で、貴重な資料であると思う。