この本の主人公は女性という性別により領地を守るためには結婚するしかなかったのです。国王からは宮殿で一人花婿を選びなさいと言われ、最後通告を突きつけられました。それで彼女が下した決断は宮殿の男性ではなく”悪魔”と皆が噂する男爵でした。これには彼女なりの打算がありました。国王が男爵との結婚を許すわけがないと思ったのです。だが彼女の思惑が外れ、彼女は男爵の元に嫁ぎました。しかし男爵には秘密があり決して日の当たる場所には顔を出さないのです。彼女との逢瀬もカーテンで締め切った部屋でした。
彼女は彼の姿をこの目で見たい誘惑に駆られ、彼の姿をこの目で見るのです。そして彼の秘密がようやく明らかになるのです。彼の秘密とは”失明”です。しかし彼に奇跡が起こり失明が直るのです。それが物語の面白いところです。普通医者に見せて直らないと言われたなら、直らないのが普通です。
奇跡的に回復した彼と彼女はようやく幸せな時を迎えますが、最後の山が待っていました。彼女の領地を狙う男爵です。彼は彼女のため男爵と対決しに行きます。だが万事休すの所、死んだと思われていた彼女の兄が現れ彼女も彼も救われます。最後には男爵を討ち果たしめでたしめでたしです。という感じに物語が山あり谷あり急転していく所がこの物語の面白いところです。何度読んでも退屈にはなりません。私が手に入れた本は中古ですので破れているページがあり、そのうち買うつもりです。もう一冊中古で新品同然の本を…。