これはいいなあ♪
放蕩者侯爵と、淑女の鑑のようなヒロイン。
ところがこの侯爵、不遜で傲慢に見えても実はとっても繊細。
非の打ち所がなく見えるヒロインは逆にとっても豪快です。
二人の表面上のやりとりと内面のギャップが奇妙でユーモラス。
庶出の息子との関わり合いにも、笑って泣けました。う〜ん、名作。

醜い容貌と混血の為幼い頃から辛い経験ばかりしてきたﾋｰﾛｰと頭脳明晰で超美人のヒロイン。
ヒロインの弟が原因で二人は知り合いますが、どちらとも惹かれあってしまいます。
ヒーローは今迄感じたことの無い感情に違和感を覚え、葛藤します。
そこからヒーローは人間らしく成長していくのですが・・・・。
ヒロインの取った行動はすごいですね。
大抵の女性は逃げてしまうヒーローに凛とした態度で向かい合うヒロイン素敵ですね。
本当に野獣を飼いならしている感じです。
ヒロインの頭のよさはヒーローを救います。
ヒロインのきつい仕返しもヒーローの改悛にがるのが面白いです。
ヒーローの辛い過去から救ってくれたヒロインにヒーローは女神のようにヒロインを見つめます。
強くて美しいヒロインと社会に傷つけられた弱いヒーロー。
珍しいカップルですね。
ヒロインの魅力が存分に味わえます。

この本の魅力はまずヒロインにあると思います。まるで年下の姉さん女房です！
すごく頭のきれる現実派で、ウジウジしたところがないので読者にストレスを与えません。
ヒーローにメロメロでカワイイところもあるんです。
家族に恵まれず傷ついたヒーローをひろ〜い包容力で包んであげます。
読んでいくうちに、「悪魔のような」と恐れられているヒーローが、だんだんお子さまに見えてきました‥‥
いかつい容貌の下に傷ついた少年の心をもっている彼も、なんだかほっとけない魅力がありましたね。

今までのヒストリカルのヒーロー、ヒロインの役割が逆転したような作品です。
話に流れがあるし、次になにが起こるか予想がつかないので飽きさせません。
完全に女性のほうが主導権をにぎっているんだけど、案外、現実の夫婦もこんなカップルが多いんじゃないかな？と思いました。

デイン侯爵は容姿のために辛い境遇に追い込まれ育ち、
ひねくれた攻撃的な性格です。
そんなデインに会った瞬間に惹きつけられるヒロイン・ジェシカ。
超絶的に頭がいい女性です。
人の深層心理を読み取り、思いやりを持ちつつ攻撃的で、
芯が強く優しいのですが、容赦がありません（笑）
裏切られたと感じ、社会的に追い詰められたヒロインが取った行動は凄まじいです。
デインよりも、ついついジェシカにうっとり。

原題「LORD OF SCOUNDRELS」
SCOUNDRELSシリーズとして５作出ているらしいですが、話はそれぞれ独立しているそう。
他のも読みたくなるほど面白かったです。

本当に強い女性と、本当は弱い男性の物語、ぜひご堪能あれ。