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イーハトーブの幽霊 (光文社文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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宮沢賢治は素晴らしいです・・・。 ★★★★☆
大好きな宮沢賢治を舞台にした事件ですが、岩手県=イーハトーブ と言う命名がすてきですね。賢治の発想の見事さをを感じます。
花巻市へ経ちよったとき記念館へもおじゃましましたが、駐車場隣の「注文の多い料理店(山猫軒)」「ことに太ったお方や若いお方は大歓迎いたします」というレストランには恐ろしくて入れなかったネ。
以下チョッピリネタバレですがゴメンナサイ。
さて、この事件は賢治の作品に見立てての3つの連続殺人を追う展開ですが、風の又三郎をキーに設定して「まただよ・・・」「幽霊を見た」の残されたメッセージから推理を展開する見事さは冴えてますね。
30数年前のいじめにが今回の事件の元凶で、転校して来ていじめられた男が、当時風の又三郎からとって「また」と呼ばれた少年が母を殺され故郷を捨て、落ちぶれ果てて花巻に戻ってきたことで、「まただよ」「幽霊を見た」という被害者の言葉から見つけ出す経緯は凄いな。
2人目の被害者が「毒もみのすきな署長さん」に見立てたのも面白い。
現代の課題の一つのいじめ問題を絡めたストーリー展開は見事ですし、ラスト近くで花巻市のいじめフォーラムでの大杉の講演内容を数頁に渡って書いていますが、この内容は内田氏のいじめ問題への考え方を述べているのかなと思います。
若かりし頃の失敗が殺人へと行かざるを得なかった犯人は可哀想ですね。まあ、嫁さんの方が原因ですか。

再文庫化が早すぎるのでは? ★★☆☆☆
朝日新聞でこの作品を通じて内田作品を批判する書評が
出たことで物議を醸した作品。
内容は良くも悪くも普通のトラベルミステリーで特筆すべき点は少ない。
確かにストーリーや推理の流れが我田引水というか強引で、
内田康夫作品の中では珍しく「こりゃダメだ」的作品。
なお、巻末に浅見光彦倶楽部の通信のような物が載っているが
まったくの蛇足。

むしろ、蛇足のない中央公論社版の文庫のほうをお薦めしたい。

浅見光彦と宮沢賢治 ★★★★★
 宮沢賢治の故郷、花巻が舞台。
 マドンナらしき女性は登場せず、浅見家の家族もほとんど登場しないシリーズ中珍しい作品。
 花巻が情感豊かに描かれており、浅見光彦も東京に1度帰ってくる以外は作品中ずっと岩手県に滞在している。
 作者である内田康夫さんの宮沢賢治へのこだわりが生んだ作品といえる。