ブラッド・ピットがプロデュースし、自ら伝説の大泥棒ジェシー・ジェームズを演じて、ベネチア国際映画祭で男優賞を受賞した一作。冷血な瞳をたたえ、殺しも辞さないブラピの不気味な名演は、彼自身にとっても久しぶりの存在感を示すことになった。犯罪一味のリーダー格であるジェシーにあこがれる、ロバート・フォード。臆病だった彼が、一味に加わったことから犯罪者としてのシビアな心を身につける。ドラマは、ロバートの視点を中心に描かれていく。
最初の1時間は、はっきり言って冗長な展開である。物語をどの方向へ進めるのか、作り手側の迷いが感じられないこともない。しかし、中盤からは、このゆったりとした流れが、ジェシー、ロバート、双方の心境に寄り添うようで、俄然、物語に引き込まれてしまう。ブラピがこだわった小道具や映像によって19世紀末のアメリカ社会がビビッドに伝わり、とくに名カメラマン、ロジャー・ディーキンズがとらえた大自然の映像が圧倒的。ブラピに負けない印象を残すのが、ロバート役のケイシー・アフレックで、アメリカ人にとっての“英雄”を暗殺した後の、ロバートの悲哀がにじんだ演技は高く評価されていい。(斉藤博昭)
退屈なブラピ
★★☆☆☆
ブラピの割には地味な作品だ。
時間は2時間50分。見る前から嫌な予感がしていたが。。。
私は知らなかったが、ジェシー・ジェームズというのは実在の人間で、ビリー・ザ・キッドのようなアメリカ大陸を股にかけた大泥棒だったらしい。
となれば、普通は銃撃シーン満載の西部劇を期待してしまうのだが、この映画はほとんどドンパチシーンは出てこない。
ジェシー・ジェームズと彼を背後から撃ち殺したロバート・フォードの心理劇とも言える。
ドラマと牧歌的な景色で2時間50分。眠たくなる一方。正直退屈だった。
ブラピは、あまり失敗作はないが、今回は自らプロデュースした割には「なぜこんな映画を作ったんだろう」とクビを傾げたくなる。もったいない。
見る人によって印象が代わる
★★★★★
正直、最初はここまでいい作品だと思いませんでした。
実話であることと、時代が古いことがその原因だったのですが、
この作品は違いました。
人間の「欲望」という普遍的なテーマにスポットを当てていて、
スローなテンポがその欲望から始まる「狂気」の様を見事に表現しています。
とにかくジェシーとボブの心境が良く理解でき、
英雄を英雄のまま、卑怯者を卑怯者のまま終わらせていないところが
素晴らしく思いました。
見終わった後、凄く考えさせられるいい作品です。
人間のみにくさ
★★★★★
一言で例えるなら動ではなくて静の作品です。
首を狙われていたジェシージェームズが憔悴の末、自らロバートフォードに暗殺されるよう仕組んでいく。ジェシージェームズに憧れ英雄になりたかっただけのロバートフォードもいつしか同じような道を進んでしまう。
ジェシージェームズを背後から暗殺し、時の人として民衆から英雄扱いされたロバートフォードが、民衆の熱が冷めると共に一気に背後から殺した卑怯者と罵倒され始める。
復讐のため首を狙われ始め世間からも見放され始めると、いつしか自らも憧れていたジェシージェームズのように暗殺を望むようになってしまう。
はっきりした感情を表に出さず、相手の心理を探り合うシーンが多々あるので、観ている時間の長さは倍増だと思います。
暗殺を敢行するストーリー終盤まで信じるか、裏切るかの正反対の二択がいろいろな人物と状況で続くために、誰から銃口を向けられるのか、いつ銃に手を掛けるのか、といった恐怖感と好奇心で観ていて引き込まれました。
すばらしい
★★★★★
僕はこの強盗団を知らなくてみました。
実際にいたと知って衝撃をうけています。
絶対的な存在感を演じるブラピには圧巻です。
静かな威圧感をひしひしと感じ、僕が緊張してしまいました。
淡々と進む中でそのドキドキは普通の映画では感じれない映画だと思いました。
みなさん長いと書いていますが僕は長く感じませんでした。
この映画の前に大いなる陰謀を見たのですがその映画は1時間30分ほどだったのにそちらの方が長く感じました。
この映画は名作だと思います。
あこがれすぎて、心がつぶれてしまった少年
★★☆☆☆
アメリカ西部開拓時代の伝説にして、いまなお愛される英雄ジェシー・ジェームズと、彼を慕いながらも最終的に彼を背後から撃ち殺した卑怯者としてその名を残すロバート・フォードとの切なくも皮肉な運命を描く。
出演は、ジェシー・ジェームズ役にブラッド・ピット、ロバート・フォード役にケイシー・アフレック。
南北戦争後、仲間を率いて強盗や殺人など無法の限りを尽くした重罪人、ジェシー・ジェームズ。一方で、戦勝軍である北軍側政府の圧政に苦しむ南部州民からは抵抗の象徴として次第に英雄視されていく。そして、最初の強盗から15年あまりが過ぎた1881年。長い逃亡生活で神経をすり減らすジェシーだったが、兄フランクと新たな列車強盗を企てようとしていた。そんな彼の前に、自分を懸命に売り込もうとする一人の若者が現われる。ジェームズ一味のメンバー、チャーリーの弟で、ジェシーを人一倍崇拝する小心者の青年ロバート・フォード。フランクが相手にしようとしなかったこの青年を、ジェシーは一存で仲間に迎え入れるのだったが…。
ブラピが見たいがためにこの作品を見ました。
相変わらず渋くていい演技をします。
物語は二人の出会いから殺害までを描いているのでテンポよくというかたんたんと物語は過ぎていきます。
あまり展開が少ないというか盛り上がりに欠けるというかきっと見る人の好き嫌いが別れそうな作品です。
激しいアクションというよりかは、人間としての苦悩や心理、心の迷いや葛藤を描いていてそれがブラピの演技から滲み出ていて光っています。
ちょっと残念なのが時間が長いということです。
ある程度興味がある人でもこの長さだと正直少し飽きてしまう量だと思います。