1stアルバム『懐かしい未来』からのブランクが、なんと約11年。その間、さまざまなプロジェクトに参加してきた新居昭乃の、集大成的ベストアルバム。ファンタジックで幻想的な世界感で、残響音が美しく、霧が立ち篭める深い森の風景をイメージさせてくれる癒しの1枚に仕上がっている。
菅野よう子、門倉聡をはじめ、さまざまなアレンジャー陣がプロデュースしているのだが、彼女の歌声が乗ることによって、みごとに彼女の世界になってしまう。強い個性がいかんなく発揮された作品群だ。(岡部啓一)
まずはRGBを聴くべき
★★★☆☆
RGBを聴いてその歌声と曲の良さに虜になりました。
後追いでこのBestも購入しましたが、RGBのすさまじい曲の充実振りに
比べるとやや単調な気がします。
(それでも、普通のレベルよりははるかに優れた楽曲が並びますが)
はじめて彼女を聴くのであれば、RGBが絶対にお勧めです。
故郷の風景
★★★★★
私は「ぼくの地球を守って」のOVAで新居さんを知りました。
その後このCDを入手し、初めて聴いた時は特に感想もありませんでした。
しかし一定の時間が経ち、久しぶりに通学時間を利用してまた聴いてみたんです。
そしたらなんだかとても懐かしい感覚に襲われました。
不思議なんですが、2回目のはずなのに、1曲1曲がまるでずーっと前から知っているように感じられたのです。
帰りたいー
私に故郷というものはまだ存在しないのはずなのですが、
故郷を懐かしみ、そこへ帰郷したくなるような気持ちになりました。
幼い頃に見た風景
外に出て遊んだ記憶
まだ20代前半の私にとって回帰するのはそのぐらいのことかもしれませんが、
新居さんが歌う1曲1曲はそのような「自分にとっての故郷」を思い出させてくれたのです。
これから何度も聴くことになると思いますが、聴けば聴くほどさらに懐かしくなっていくのでしょうか?
グローバルに通用するだろう音楽
★★★★★
とても清潔で儚いこえと、うただけに依存しないコンポジションそのものの独立した美しさが合わさり、神秘的な魅力をみせます。皆さんの話をみると色々なSFファンタジーに使われているのですね。音風景の幻想的で広い世界観に想像力が自然と膨らみます。全15色の水彩絵の具のように、それぞれ別々の色彩が音色に宿り、ヒーリングという一言でイメージが固定させられない様々な広がりがあるのです。ただ独特のサイレンスはどの曲にも共通しており、内側へ染み渡る音の深みは彼女独特の効用でした。
5「凍る砂」はヴォーカルの多重録音とエフェクトで幾種類かの立体的な歌声が出来、それが交互に咲くので、メロディが花開いてゆく色彩が雅だなと思います。11「歌わないうた」は古典的童謡と効果音が複雑に混ざり合い、アバンギャルドな童謡のよう。新居氏の音楽にはエレクトロニカ/ポストロックの要素が多分に含まれるのですが、その実験的かつアンビエントな発色が表れたような曲です。
そして荘厳なのは15「ワナ・ビー・アン・エンジェル」。さすが菅野氏と思わせる、現代宗教曲が教会に鳴り渡るようなつくりでした。人間のこえを美しく響かせる手腕は格別です。またシンセのキラキラしたサウンドからギターのひずみまで様々なノイズが混ざり合い、光も闇も呑み込み増幅してゆく迫力は聴き所です。
永遠
★★★★★
マクロスプラスを観て、新居さんを知りました。もう何回繰り返して聴いたことか…神秘的な声と歌にすっかり魅了されて、気がつくと彼女の歌を口ずさむほどです。(このアルバムを聴いてから何年か後に『僕の地球を守って』を読みましたが、素晴らしい作品でした。新居さんの雰囲気とよく合っていて、おすすめです)
目を閉じて歌うだけで飛んでいけそうな気持ちになります。きっと彼女の世界が歌にとけて、私達の心に沁みているのでしょう。
好きか嫌いか
★★★★★
この人を知ってから、「澄んだ声」って表現はこの人にしか使えなくなってしまいました。
楽曲もかなり独特。
私は一時期ずーっと聞いてましたが、はまる人とそうでない人にはっきりと分かれるかも?