ただ、監訳の松村一男さんがあとがきに書いているように、
情報が不正確なところも結構多かったりします。これは一人の人間が
世界中のあらゆる文化から項目を集めようとすればどうしても起きて
しまう問題ではあるのですが。たとえば、「カミ」の項目に
「日本の精霊」とあるのはいいんですが、なぜかそれよりも先に
「韓国の精霊」とあり、地理的な混同がおきてます。著者のホーム
グラウンドであるヨーロッパについてはその心配はあまりなさそう
ですから注意すればいいのですし、監訳者のいうとおり、知識の
ある人なら自分で間違いを見つけられるだろうとは思うのですが、
残念なところです。
それともう一つ、図版は多いんですが、どれも出典がありません。
なんだかんだいっても、今のところこれだけのボリュームの類書は
ないですし、この手のものが好きな人には充分価値はあると思います。