個人的に、デラックス・エディション、日本盤ＣＤを所有しているのですが、このアナログも購入してしまいました。
ジャケットの紙質がとても厚く、頑丈に出来ています。レコード盤も厚い（180g盤）。
ありきたりの表現ですが、音質はＣＤには無いアナログ特有のキレと生々しさがあり、聴き応えがありました。アナログと言うメディアの性質上、今では誰もが買うというものではありませんが、ジャケットやインナーのアート・ワーク観賞用としても充分だと思います。価格的には高いですが、購入の価値はあります。ちなみに限定１．２００枚のプレスです。

収録曲は日本盤、ボーナストラック付と同じです。

●Ａ
1. SMALL METAL GODS
2. THE RABBIT SKINNER
3. RANDOM ACTS OF SENSELESS VIOLENCE
●Ｂ
1. THE GREATEST LIVING ENGLISHMAN
2. 125 SPHERES
●Ｃ
1. SNOW WHITE IN APPALACHIA
2. EMILY DICKINSON
3. THE DEPARTMENT OF DEAD LETTERS
●Ｄ
1. MANAFON
2. RANDOM ACTS OF SENSELESS VIOLENCE（Remix）

　エレクトロニカ/インプロ系のスター達がサポートしているという点では前作の延長上にある作品だと言えるが、冷たい風が吹きすさぶような荒涼とした印象の前作と違い、聴き心地は本盤の方がずっと穏やかだ。

　即興インプロ系のボーカルモノというとやたらと激しいのが多い気がするのは気のせいかもしれないが（笑）、デヴィッドの静かな「歌」と、それを包み込むように配置された「音」のキャンパスというのは、実は結構珍しいアプローチなのではなかろうか。

　また、他のレビュアーの方も書かれているが、森の中の光や音を感じたり、都市の喧騒に溶け込んでいきそうなアルバムに仕上がっている点も魅力的だ。イーノのような、音で塗り込めるタイプのアンビエント作品とは対極的だが、本盤のスタイルは「環境音楽」として聴いても立派な一つのアプローチの形なのではないかと言いたくなる。だって、このアルバムからは光と風の流れを感じることができるんだよ。

さすがに5.1chサラウンドは凄い。他のDVDAに比べても、その音の良さにはびっくりさせられた。しかし、その音が好きかどうかは、その後の問題。クリムズンのDVDAのリマスターラッシュは、シルビアンからの情報があったのでないかと思うほど、すばらしい音の流れ。2度は聞いても、3度目は無いかも…。今は、クリムズンのリザードのDVDAが待ちどうしい…

　わたくしはへそまがりかもしれないのだが、no music no lifeな生きかたをしている。
まーなんでも首をつっこんでみるきっと誰でもどんなものにでも良いことが一つは
ある。それを見つけるために人生をたんたんと過ごしている。DAVIDはそんなわたくし
には格好の即興音楽家だ。何年か前も良く分からなくうーんと一日考えた曲と遭遇した。
こんかいも面白いことをきっとやっているなと手に入れた。

　ジャケットはすばらしい。驚いたことにこんかいの「125 spheres」なんて案外
いいんじゃないかと思った。「small metal Gods」だっていままでよりぜんぜん
癒されそうではないか。やはり歳月はどんどんあの完成度の高いDAVIDさえまだ
進化させていると言う事か。きがついたら全曲聴き終わっていた。

　なんなんだ、この音楽はもしかするとヒーリングなのか?とも考えた
DAVIDの声がそのように感じさせているのかともおもえる。
英詩が美しく幾つも真似してつくってしまった。
皆様も是非購入されてこの現代の即興音楽家の日本の古典に通ずる曲を
お聴きになってください。

　　　　　　推薦いたします。




　

前作、ブレミッシュの延長線上にあるが、電子音ではなく生楽器でのミニマルな伴奏に乗せてデヴィッド・シルヴィアンが「詠い」あげる。ヘッドホンで聴いていると目前で歌っているように錯覚させる音響で、不思議な間で遠くで奏でられるひとつひとつの音を聞き逃したくなくて、ながらの手を止めて集中して聴かざるを得ない。