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アメリカの黒人演説集―キング・マルコムX・モリスン他 (岩波文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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オバマ政権の成立した今だからこそ改めて。 ★★★★★
デイヴィッド・ウォーカー、フレデリック・ダグラスからブッカー・T・ワシントン、W.E.B.デュボイス、アイダ・B・ウェルズ、キング牧師、マルコムX、シャーリー・チザム、サーグッド・マーシャル、そしてバラク・オバマまで。19世紀から21世紀の時代まで黒人に対する人種差別や偏見と闘い続けてきた21人の声を収録。それぞれの時代の政治状況の中で彼ら彼女らはどのように主流社会に挑戦し、抗議し、権利獲得や身体的自由の確保、社会的地位の向上を試みてきたのか。彼ら彼女らはいかなるロジック、レトリックでマジョリティである白人社会に訴えたのか。一人一人の演説を読む際にはそのような彼ら彼女らの「戦略」にも注目したい。時代によっても個人のバックグラウンドによっても様々に異なるその「戦略」からは彼ら彼女らの生きた時代の政治的社会的雰囲気とその中における黒人の位置が浮かび上がってくる。初の黒人大統領が誕生して以来、巷ではオバマ解説本が掃いて捨てるほど出版されているが、凡百のそれら解説本を購入するよりは本書一冊を手に取り、収められている21人の声に耳を傾けたほうがよほどオバマ政権成立の意義と今なお残されし課題が理解できるに違いない。
タイミングがグッドな出版。さすが小口未散さん ★★★★☆
オバマ氏が大統領選に勝利するというほんとにグッドなタイミングで出版。しかも同月に「リンカーン演説集」も重版するとは、岩波書店もいろいろ考えて出版してるんだなぁ。
本書はデイリー編「Great Speeches of African America」の翻訳。この本から、二篇を削除し、収録されていないデヴィッド・ウォーカー「ウォーカーの訴え」の第一章、ゾラ・ニール・ハーストンのエッセイ「黒い肌の私ってどんな感じ」、トニ・モリスン「ノーベル文学賞受賞演説」を収録したもの。当然のことながらマーチン・ルーサー・キングの「私には夢がある」が収録されてるし、さらにオバマの演説も収録されている。ただオバマの演説は、2004年の民主党大会で彼を一躍有名にした「基調演説(キーノート・スピーチ)」ではないのが残念だけども。
内容についてちょこっと述べると、サーグッド・マーシャルの「憲法−生きている文書」で書かれている米国憲法に内在する欠陥、起草者達の妥協については、ロン・チャーナウ「ハミルトン伝」と併せて読むとよくわかると思う。また、運動の初期においては、彼ら黒人運動家の求めていた事はかなり遠慮したもので、白人を安心させるために、共存(行き着く先は性的混交。これは白人が恐れていたこと)や社会的平等は求めず、あくまで法的な平等、公民権のみを求めていた。彼らの境遇を考えたとき、彼らの、遠慮した「慎ましい」演説を読むと涙を禁じえない。
アメリカ社会を考える基本文献 ★★★★★
 本書に収録された21人のうち、日本で広く知られているのはキング牧師とオバマ大統領くらいだろうが、ここに聞く黒人活動家たちの声は今でも生々しく響く。黒人差別は、アメリカの人種問題にとどまらず、女性問題や宗教の問題にも関わる様々な「差別」を考える基本的な視点であるからだ。本書はそのための貴重な文献である。フレデリック・ダグラスの大演説(1852年)だけでも読んでもらいたい。
 最初の演説(デイヴィッド・ウォーカー、1829年)の「黒人の大統領、知事、…の実例を見せてくれたことがあるのか」という言葉が、初の黒人大統領となるオバマの最後の演説と見事に呼応している。この間、実に180年の重い時が流れている。