ギャング・スターのラッパー、グールーが“ヒップホップとジャズの実験的な融合”をクリエイトする頃、彼は1993年当時に、2つのアフリカン・アメリカンのスタイルを公平に探索するジャズマタズと呼ばれるアイデアをもっていた。最初の完全に自意識過剰なジャンルミックスの『Jazzmatazz Volume I』は、少なくともまあまあの珍しいレコードではあった。だが、その2年後にジャズ・ラップ――ディゲイブル・プラネッツからバックショット・ルフォンク、ザ・ルーツまで――はオルタナティヴ・ヒップホップの支配的な勢力となった。 良いニュースは1995年の『Jazzmatazz II』が変わりゆく時代を認識していることだ。グールーはR&B(チャカ・カーン、ミーシャ・パリス)、レゲエ(アイニ・カモーゼ、パトラ)、さらにジャズ(ラムゼイ・ルイス、ドナルド・バード、フレディ・ハバード)、ラップ(クール・キース、ビッグ・シュグ)からのアーティストを集めることで賭け金をつりあげている。コンセプトは広がって、すべてのブラック・ミュージックをひとつにすることとなっている。良い点は、曲がこの力のつく混合物をより反映している所だ。たとえば、「Watch What You Say」はカーンのダイナミックの凄い即興の歌と、ブランフォード・マルサリスの押さえたサキソフォンのフレーズが、グールーのラップとDJプレミアの形式に捕らわれないビデオゲームの音響効果と溶けあっている。 だが、悪いニュースは、第2弾は第1弾と全く同じ点で失敗していることだ。まず、グールーは今なおいい調子でラップしているが、リズムにもライムにもあまりキレがない。独白では、独りよがりに自分を「The Lifesaver」と呼んでいるが、インナーシティの騒ぎについては“リアリティに向き合い、集中し続ける”ような曖昧な解決法しか提供していない。次に、カーンのヴォーカルとおそらく「Respect the Architect」のルイスのピアノ・ソロを除くと、スタイルの混合は同じ試みのヒップホップの形式の域を出ていない点だ。(Roni Sarig, Amazon.com)
秀才
★★★★☆
一言で表現するならば、丁寧に作られたアルバム。
参加アーティストが蒼々たる面々であることは改めて言うまでもない。
細部にも凝っているので何度聴いても飽きない。
Funky DLと比べれば落ち着きがあり、Guruの謙虚な姿勢が垣間見える。
アルバムを通した一貫性があり、センスも決して悪くない。
しかしそれでも、傑作とは言えない。少なくとも私はそう感じた。
Nas"illmatic"とまでは言わずとも、Kurious"A Constipated Monkey"だっていい。
天才と呼ぶべき何かが足りない。
iPodでシャッフルしていて、偶然D'Angeloの曲と前後したとき、そう直感した。
買って損はしない。しかし絶対に買えとは言えない。
hosted by guru
★★★★★
ジャケットのguruさん、どこかで見たなぁ〜と思って、あまり考えないうちにすぐに思い出しました。あぁこれはhank mobleyですな。グラスを取ったら全然違うんですけど、“no room for squares”(BLP4149)のアレです。色調もそう、表情もそんな感じです。
現在(2008年2月)の時点で4枚ほど作られたjazzmatazzの2作目にあたり、個人的にはこれがもっとも凄い作品になったと思う。vol,1での試みが大きなインパクトとなってシーンに迎えられ、その自信が、この同路線をより作り込んだvol,2に結実したと解しています。
ジャケ上部にblue noteよろしくばぁ〜っと並んだ参加アーティスト連の表記が眩しい。chaka khanに始まりme'shell n'degeocello、donald byrd、patra(!)、jamiroquai、freddie hubbard(!)、bernard pardie、kenny garrett(!)、mica paris、reuben wilson、baybe、etc…。
ジャズ・ファンはこの表記とジャケットに食指が動くのです。低音のうねりやヘヴィな楽器の鳴り、アルバムを支配する夜の雰囲気、ゴツゴツとしていて(決してスムースに、ではなく)、バネのように強靭なリズム打ち…。ジャズとはアドリブのみに非ず、こうした音色を感じる楽しみもある事を知っている人には新鮮な驚きのある1枚です。彼は楽器を(ジャズマンのようには)弾かないけれど、ここにあるスピリットは往年のジャズマンのそれと重なるものがある…と感じます。
ハイレベルなコラボレーション!
★★★★★
ギャングスターのMCであるグールーのソロプロジェクト、JAZZMATAZZ。
この作品は、その第二段。前作が夕暮れなら、今作はネオンライト煌めく夜
を想起させる雰囲気を持っています。
前作の延長線上にありながら、質・ボリューム共に格段にアップしてます。
特筆すべきは二点。まずはドラムへの拘り。
前作も勿論名作ですが、ドラムがやや一本調子な所がありました。
グールーが感覚を掴んだのもあるのでしょう、今作では非常に多彩なビートが
聴き手を楽しませてくれます。スウィング感も断然上がりました。
もう一つは更に豪華になったゲスト陣。ジャズとヒップホップに留まらぬ
ブラックミュージックのフルコース、といった趣きです。
注目はフレディ・ハバード、ジャミロクワイ、バハマディア辺りでしょうか。
全体的に女性ボーカルの比重が高まり、ソウルの色合いが濃いですね。
そのためか陶酔感・高揚感がある、プリミティブな空気のある楽曲が多いです。
単にお洒落な感じだけのジャズヒップホップに辟易してる方にこそ手に取ってもらいたい一枚。
タイトルに違わぬリアリティを感じることができるでしょう。
個人的に、ギャングスターよりJAZZMATAZZの方が好みだったりします。
ギャングスターのMCだよ!!
★★★★★
ギャングスターのMCが一人で曲を発表するとここまで感じが変わるとは思いませんでした。いままでスクラッチとノリノリの曲が売りだったギャングスタートはうって変わり、ウッドベースやフェンダーローズのきいたお洒落なJAZZHIPHOPに仕上がってます。私はGURUは3枚持ってますがこのアルバムが一押しです。だまされたと思って買ってみるのもありな1枚です。
いい作品だ!
★★★★★
GANG STARRと言えばDJプレミアばかり目立ってるけど
これはグールーのソロアルバムなのであしからず。
聴いた感想を率直に述べます。非常に良いです!!
GANG STARRのイメージが強すぎてどうかな?と聴く前は思っていましたが、ジャズのジャンルに囚われ過ぎづ、R&BとHIP-HOPが上手く絡み合ってソフトな音源が詰まってます。
THE ROOTSが好きな人は新鮮な感じを受けてハマッちゃうかもしれないですね。
RAP好きでJAZZに少しでも興味がある人は買って後悔しないでしょう。