モーツァルトやベートーヴェンが弾いたピアノの型と音
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許光俊が『クラシックを聴け!』でクラシック基本の三曲として解説しているモーツァルトの「ピアノ・ソナタK.545」を作曲当時のヴァルターのピアノで聞いてみたいと思ったら、CDに収録されています。演奏は小倉貴久子で見事。しかも、ベートーヴェンの「月光」もヴァルターのピアノだったんだ!さらに、ショパンの「ノクターン変ニ長調」をプレイエルのピアノで、シューマンの「トロイメライ」をグラーフのピアノで聞くことができます。
ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンは作曲年代によって使ったピアノが違っていることもピアノの写真とともに解説されています。たとえばベートーヴェンはクラヴィコード(1782年ころ)、シュタイン(1788年)、ヴァルター(1800年ころ)、エラール(1803年)、シュトライヒャー(1809年)、ブロードウッド(1818年)、グラーフ(1825年)を主に使ったようです。
チェンバロ曲がデュフリ「三美神」とジュスティーニのソナタ作品1の3番だけなのが残念ですが、それは別にチェンバロのCDで聞けばいいでしょう。わかりやすくお得なCDブックです。