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方丈記 (岩波文庫)

価格: ¥626
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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人間が如何に生くべきかの問題にふれた随筆である(解説より) ★★★★☆
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。」に始まる当該著書は、無常をよく伝えるものである。人生に一度は、無常を考える上で、当該著書は読むに値するものと思う。

「解説」によると、5段からなる随筆である。
序  :人生の無常、有為転変の世相を説き、花に置く露を取り上げ論旨を進める。
第2段:自己の体験した災害の数々、大火、辻風、遷都(人災)、飢餓、地震などを年代順に記し、自己の身分、環境によって心を悩ますことは限りないと述べる。
第3段:著者自身の生活に言及し、五十歳で出家、大原山で5年の歳月を送ったのち、日野山に方丈の庵を結んだと述べる。
第4段:あらためてこのような日野の生活を顧み、都の人々の逝去、災害を耳にしながら、わが草庵の平安を自讃し、係累・朋友・召使もなく、これに煩わされることのない現在の孤独な、自己のみの生活を愛し、閑居のよろこびを語り続ける。
終章 :命の終りも近いわが身を思い、こういう草庵を愛し、閑寂に執着するのは、仏の教えに背く妄執ではないかと反省し、わが心に問い、答えを得ぬままに、心にもない念仏をとなえることで、筆を擱いている。

なお、解説では、出家した文学者として共通する西行と比べている。西行は23歳の若さで出家したが、長明は、神職の家に対する執念を持ち続け、さまざまな煩悶をいだきながら、50歳にして漸く出家を遂げた。西行が花と月にあこがれ、自然に分け入りつつも人恋しという人間的なものをちらつかせるのに対し、長明は人生のはかなさ、苦悩とそれから脱却の楽しみを述べ、しかもなお世俗の栄誉を思い、安住の地を見出し得なかったのではないかと、述べている。
出家しても救われ切れないお坊様の愚痴。 ★★★★☆
他の方も言っておられる通り、この本はとあるお坊様のボヤキである。

本文を読んで読者が想像を膨らますことは自由だが、
著者が読者に対して深い思惟を投げ掛けるような場面はない。
出家しても救われ切れないお坊様の愚痴があるのみである。

京のとある場所で強風が吹いて家が壊れたとか、
童子と遊んで気を紛らしているとか、
文字通りの"随筆"である。

読者はボヤキを聞くような感覚で、気楽に読めば良い。
日本古典としては破格の短さである。それも嬉しい。
不運 ★★★★★
京都での大火事。
竜巻。
干ばつでの飢饉。

「人は何のために生きるのか。」
考えさせられる物語。
方丈記は何故生き残ったのか? ★★★★★
カタカナで書かれたこの薄い本が、800年の歳月を越えて、なぜ、今の世まで生き残ったのか?不思議といえば、是ほど不思議な事はない。目立つのは、この本の薄さである、注釈を加えても50ページに満たない。それは、無教養な我々庶民にも、たやすく手を伸ばし易い特徴を備えている。次に何よりも、この出だしの朗詠調は、日本人の心の琴線を掻き鳴らさない訳は無い。
その上、注意して読めば、長明が若かりし頃の天変地異。大火事、旱魃、竜巻、洪水と飢餓は、そのドキュメンタリー的、迫力で我々を圧倒する。飢饉の際、京都には四万の人々の屍骸が、誰、弔う者無く放置されていたと言う、「くさき臭い、京に満ちたり」。この事だけでも大いなる衝撃であり、この有様を深く憐れんで、極楽への成仏の為に、死体の額にサンスクリットの「ア」の字を、書き付けて歩く上人の話が書き付けられている。正に、驚くべき事成り。長明はこの事業に付いて歩ったのであろうや?
この人は、矢張り我々の様な凡人ではない。その文章は多分に音楽的であり、文章の旋律の流れは傾聴に値する。本人は真剣なのであろうが、何処かで笑って仕舞う様な表現さえある。
音楽の名手であった長明は、また、文章の達人でも有ったと謂う事だ、鴨長明、吉田兼好、上田秋成、この人達の作品は日本古典文学の精化である。
気が付いた時ちょっとびっくり ★★★★★
全部で150ページほどの薄い本です。しかも「方丈記」本文は40ページまで。ごくごく短い作品なのです。

最近気付いたのですが、鴨長明って頼朝、義経なんかと同時代人なんですよね。何かもう少し後の人のようなイメージを勝手に持ってました。「平家物語」の中にもこの作品を参考にした箇所があるというのに。
もっとも作中には合戦のことは全く出てきませんが。「私には関係ないよ」とこの人は思ってたのかもしれませんね。承久の乱前に亡くなっているそうなので、時代が大きく変わったことも気付いていなかったのかも。…なんて考えながら読むのも一興ではないでしょうか?

文章は有名な古典作品の中でも読みやすい方に入ると思います。前述のとおり短い作品なので、古典を原文で読むことにあまり慣れていない方にもおすすめできます。

訳文はなく、原文のみ。原文の下部に注記が施されています。
その他、底本の影印とその翻字、「平家物語」や「池亭記」などいろいろな文書から本文に関係してくる箇所の抜粋など付録が豪華ですので、学生さんなどで専門に勉強される方にも便利なのではないでしょうか。
そして市古先生の解説は鴨長明の生涯から方丈記の内容・構成まで分かりやすく、しかも細かく説明されています。

方丈記を読むならこの本をおすすめします。