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人生論 (新潮文庫)

価格: ¥483
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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真の幸福へのアウフヘーベン ★★★★★
「人生」論というより「生命と幸福」論というタイトルが合っている本書は、ロシア文学の巨匠である著者による、人間がいかにして幸福に生きるかを説いた論考集。

”動物的個我において一時の快楽を追究しても虚しさが残るだけであり、人間が本来知っている理性的意識に従って、自分以外のすべての幸福を願う事で真の幸福を得ることができる。
動物的な生には時間的制約があるが、理性的存在は時間・空間的な生を超えて生き続ける。”

本書の論旨はこれに尽きる。
この主張を、手を変え品を変え説明し続けるという紙面構成となっている。

「他人や社会に尽くす事が本当の幸福だ」というような言説はよく目にするが、本書はこれらの薄っぺらい論を超えて本質を語る。
堅牢な論理展開と深く鋭い洞察によって真の幸福とは何かを説く著者に、その尽くされた言葉に、圧倒される。


ただ、自らが持つ生得的な理性をいかにして喚起するかについて、本書では全く触れられていなかった。それが引っかかる自分は”ゆとり”なんだろうか。

個人的には利他的な思想は支持していないが、幸福論についてのアンチテーゼとして非常にためになった。
自分がどんなスタンスを取るかに拠らず、必読の書。

訳が非常に良く、なめらかな文体で記述されていたので、とても読みやすかった。
これも人生。 ★★★☆☆
読む前から期待していました。トルストイ好きですし。
「得られるものが盛りだくさんで、読むのがもったいないのでは」と。

結論。普通でした。
一文が長くて、考えながら読むので、頭にもブツ切れで入ってきて、
リズムに乗って読めなかった。

単に訳のせい?
角川文庫版も読んでみますか。。。。
10年前に読んだものだから ★★★★★
細かいところまで憶えてないけども。冒頭の序文で物理学の話みたいな文が出てきて頭に来て読まない人もいるだろうし、その難解すぎる文体に(ロシア語原文で読んだ訳ではないので本当は簡単な表現なのか分からないが)辟易し頭痛くて投げ出す人もいるだろうが是非全部読んで欲しい。自分は同じところで理解できなかったところは何度も読み返しながら読み終えたのを憶えている。個我と彼我(要するに社会)の関係、本能と理想とその真実の関係、人生哲学の傑作だと思う。
現代は「理性」が過大評価されている感があるが、トルストイはその極みの人。当然、共感できないが… ★★★★☆
やや難解で、同じことを何度も繰り返している感が強く、じれったい。

以下、内容について。

・トルストイの絶対的な純潔思想を知れる。
・寺山修司の「カソリックの集大成的な意味でトルストイはあった」という指摘を思い出す。
・現代は「理性」が過大評価されている感があるが、トルストイはその極みの人。当然、共感できない。それはわたしが弱く、悪い存在であるから。わたしは弱く、悪い存在であることにある程度甘んじているが、トルストイは耐えられなかったらしい。「長い間、理性で悪いことをしてきた」というヒッピーの言葉を思い出す。

一つの考える道筋として ★★★★★
ここでレビューをお書きになっている方々は、それぞれ物事を考えることのできる方々なのだろうと思うが、それでもこれほど評価が別れていることに非常な興味を覚える。この本をある完成した哲学書として読むのであれば、欠点を指摘することは難しくない。しかし、欠点を指摘できるからといってその評価を落とすというのはいかがなものか。言うまでもなく、これは学術論文ではなく、科学的証明を求められる書物でもない。

「死」と「生」について真剣に考えたトルストイが出した一つの結論であって、そこに道徳的な価値を付帯しようとした点に無理があることは、ある意味、仕方のないことだと思う。人間を今見える生命体としてだけ捉えるのではなく、個としての性格や性質が、生命体としての死が訪れた後も、延々と続いて行くという事実は、誰にも否定できないことだろう。ただ、それによって「死」が怖くなくなるものなのか。人生が楽になるものなのか。それはこの書物を読んだそれぞれの個々に委ねられている。