優等生過ぎてちょっと物足りないけど面白い
★★★★☆
巨大なお目目や子どもっぽいデフォルメには面食らったが、
過不足のない書き込み・破綻のない人体表現など絵のレヴェルは高い。
(関節が変な方向に曲がったり手足が変なところについたりしている漫画家は結構多い)
内容を見ても、いたずらにセンセーショナルな表現を弄せずに
恋愛感情や性の自覚を子どもの視線で真剣に描く作者の姿勢には好感が持てるし面白い。
反面、視点や掘り下げはちょっと優等生じみている感があるが
これが恐らく作者の持ち味だろう。
不自然に強烈な描写に走るより遥かに気持ちよく読める。
もっとも、「初恋のお兄ちゃん」に登場する啄実はかなり危ない奴だと思うけど。
個人的なお気に入りは愛犬ラッキーとの死別を経験する少女を描いた
「もうあうことのないきみに」。
ここに描かれた、愛犬の死を悼む少女の気持ちは恐らく
大切な誰かを失うとき誰もが感じるものなのだろう。
ついでを言うと、このセリフはとても耳が痛かった。
「ほんっと男子ってエロイしガキよねっっ!」…はい、仰る通りです。
本編も悪くないのですが…
★★★★★
私個人としては巻末の方の「少年少女」の方が好みだったりします。
「ないしょのつぼみ−めばえ」よりちょっとレベルの高い話になるのですが、それが心を打ちます。
「男らしさ、女らしさ」答えをあせらずにゆっくりつきあっていけばいいと思うんですけれどねぇ…
何かと「性転換手術」の話題がテレビなどを賑わせていますが、
学生時代に少年少女みたいに付き合っていけば体を変えずとも自ずと答えが分かると思います。
あとは男女の描写が非常に分かりやすく読んでいてドキドキします。
ペットから命を学ぶ
★★★★☆
オビに2008年アニメ化と・・・驚きました。本気ですか!?
それはさておき、この巻も良い話満載です。つぼみ9歳の話を中心に、作者の過去の作品も収録されています。インコや犬などの動物が出てくる話があるのですが、どちらも感動させて頂きました。やぶうち氏はコレ系の話を書くのが本当に上手いですね。
「ないしょのつぼみ」本編と多少テイストが違い、直接的な性教育関連の話は薄めで、それだけに命を扱ったインコ関連の話と、巻末の「もうあうことのないきみに」の印象が強い感じです。