ほぼ完全に女性向け
★★☆☆☆
少女小説の大御所「マリアさまがみてる」スピンオフ、「お釈迦さまもみてる」もいつのまにやら第四弾。今回は体育祭のお話で、準備から結末までを読みやすい文体で短くまとめていて、手に取りやすいです。
やっぱり断然「マリみて」の方が好きです。「お釈迦さま」は無理して書いてるような印象で、何も残らないし、瑕疵ばかりが目立ちます。このシリーズ続けるぐらいだったら、少し刊行が遅くなっても「マリみて」を続けて欲しかったなぁ……。
お疲れ様です
★★★☆☆
この作品に出てくる祐巳は、一大叙事詩『マリみて』が始まる直前の一般人なわけですな。
「シンデレラ」という名前が出てきて、ぼちぼち隣の女子校のランドマーク前で主人公の姉ちゃんが憧れの紅薔薇の蕾にタイを直されちゃうんだな〜と、感無量。
しかし、花寺の校風や、そこに在籍する生徒たちの感覚って、ちと不自然過ぎやしないだろうか(それとも貧乏都立の出身者には追いつけないだけか)?
ライトノベルのはずなのに、全編を通して重かったです。
作者さんは本体の『マリみて』を”メルヘン”と銘打たれており、そこから派生した作品だから難しく考えるのも野暮かも知れないが、男として感情移入できる男キャラが極端に少ないです。
他の方も名前を挙げられていますが、アリスの惻隠に最も漢(おとこ)を感じさせられたお話でした。
次の巻は柏木がギンナンの臭いを漂わせてリリアンから戻る時期です。
福沢家のシーンではシンデレラと姉Bの台詞をおぼえる長女の姿が不可避なわけで、資料的価値は備わるでしょうが、個人的には”元祖マリみて”の主人公・乃梨子、それに瞳子がどんな妹あるいは妹候補とからむのか、一旦仕切ってくださったほうが、落ち着いて一年半昔の『釈迦みて』世界をおさらいできる気がいたします。
三ヶ月に一冊出さにゃならん作者さんのご苦労と、『マリみて』前夜の伏線張りに敬意を表して……すまんですが、星みっつ。
今野さんが疲れてきている?
★★★☆☆
3巻目の「お釈迦様」ですが…相変わらず学園の
雰囲気が暗くて重くて…楽しくないというのが正直なところ。
特に今回は、小林が祐麒に向ける感情が実に女性的というか
ヒステリックで器が小さい。二人の会話も不愉快だし、
大体、小林が祐麒とそっくりな祐巳を「可愛い」って…
まるでエロの無いチープなBLみたいです。
本来男の子や男性は、もっと女性とは違った言葉のない
友情や、女性には理解しがたい不器用な思いやりを
持っていると思うんですが、花寺でそれらを兼ね備えている
のは「男性」とは対極になりたがっているアリスと、
そして日光月光先輩だけのような気がします。
この一冊の中で輝いていたのは、
出番が少なかった祐巳だけと感じるのは私だけだろうか。
一体今野さんはこの作品を通して、何を言いたいのか。
それを明確にして欲しい。
なんとも・・・
★★★☆☆
祐麒が一人から周りする今巻…正直ちょっと痛いですね…。
「マリア様がみてる」の側から見る花寺高校はそれほどおかしな印象
は無かったが、どうもおかしな学校なのではないかと、不思議に思って
しまう。
特に、他の方も書いておられるように源氏と平氏…対立きつすぎでは?。
どちらかに所属していなくても楽しい高校生活が送れないのはおかしい
と思うが…。
作者が女性と言うこともあるのだろうが、いささか滑稽な印象を受ける。
祥子様が卒業されて「マリア様」の方を書く気が失せているのかも知れない
が、是非本編の執筆に戻っていただきたいところです。
頑張れ、自分!
★★★☆☆
花寺に入学したユキチの初・運動会の巻。
花寺学院中学校から高校へ上がったにもかかわらず、高校のことを
あまり知らないユキチは、毎日が新しい経験の連続。
体育祭の仕組みもよく分からない。
選手の決め方も応援も、なんだか盛り上がらない体育祭自体も、
ユキチは納得がいかない。
作者も『男子校の体育祭がどんなものか知らない』から『マリみて』の
ような深みや心の絡みがやはり今一つ。
一冊目はなかなか新鮮で期待していたのですが、今回は味わい今ひとつの
『マリみて』になってしまいました。少し残念です。