プリンス史上、最も《濃い》傑作。
★★★★★
プリンス史上、最も《濃い》アルバムと言えば、やっぱり、このアルバムでしょう。ただでさえ《濃い》プリンスなのに、その濃さをさらに濃縮してしまったくらい、《濃い》アルバムです。従って好き嫌いは、はっきり分かれますが、私は結構好きなアルバムです。また、アルバム全体を貫く《LOVE & PEACE》なメッセージが、感動的な作品でもあります。特に、2曲目の「ペイズリー・パーク」なんかは、ぐっと来る名曲です。プリンス好きなら、必聴必携の傑作アルバムです。
マスターピース
★★★★★
天才ゆえのわかりにくさもあれど、この頃のプリンスのクリエイティビティはすごかった。当時は現代版サージェストペパーズと言われていたけど、音の選び方が完全にそれを超越してたからね。
青春の一ページになりきれず今でもぼくをつき動かす。
踏み絵
★★★★★
私は1999から入ったファンなんですが、このアルバムとの出会いは、それまでの音楽観を180度転換させられる程の衝撃でした。パープルレインの世界的大ヒットからわずかな期間でリリースされたことではなく、その中身にです。
耳障りの良い流行りのロックやポップスしか知らなかった高校生の私にとって、パープルレインとこれを同時に作れる男の存在は、途方に暮れるほど、想像の範疇外でした。
理解に苦しみながら毎日擦り切れるほど聴いている内に、1999やパープルレインがどうでもよくなっていったのを、今でもはっきりと覚えています。私が生まれて初めて他者に心から陶酔した瞬間でした。そして、取り憑かれた様に過去の作品を聞き捲り、待ちに待った次作を聞いたときの喜びは・・・・・・・・。
それから現在に至るまで、相当数の優れたアーティスト達の作品群を聞いてきましたが、いまだに、アラウンド〜ラブセクシーの黄金期を凌駕する存在には出会っていません。
今思えば、パープルレインで興味を持ち、このアルバムを手にした者だけが、その後数年間続く至福の時に身を委ねることが出来たのかもしれません。
私にとっては、まさに、巨大な光に到達する為の、踏み絵のようなアルバムでした。
汲めども尽きぬ創造性
★★★★☆
"1999"で世紀末での狂騒を、"Purple Rain"で退廃的ながらも無垢な精神を描いたかに見えた殿下。その後は何を描いてくれるのか、との全世界のファンの期待に応えたのが本作('85年作)ではなかったでしょうか。
60s末辺りのサイケな匂いをプンプンと発散しつつ、あらゆる方向から殿下のミュージックを体現させた傑作かと思います。
時に冷ややか、時に賑やかに響く電子的なビートは、確かにこれまでの延長上にある事は確かなのですが、カラフルさといいますか、その幅が圧倒的に広げられている点には驚きます。
某評論家の方は"80sのサージェント・ペッパー・・・か"とも評されているようですが、何れにせよ、殿下の懐の深さ、汲めども尽きぬ創造性に脱帽です。
Paisley Park はじめました。
★★★★★
シーケンサ・ファンクで肌の色に関わらず多大な支持を得たプリンス(以下P)はコマーシャルリスクを犯してまでリスナーの篩い落としにかかります。
「ノン・ドラッグでの平和絵巻」あまりの路線変更に当時の私は軽い目眩を覚えました。しかし楽曲はどこまでも美しく素晴らしいので説得力がありました。
3の繊細さなどメジャーの作品では稀有なものだと思います。5のファンクは緻密な上にリズム・ボーカル仕掛けが一杯で本当のPが顔をみせる曲です。
皮肉と暗喩てんこもりの6 ドライな視点だけど的確な7 前作のハイエナジー・ロックは姿を消しお花畑に塗れてファンク・ゴスペルが隠し味以上の働きです。
後から知って驚いたのは前作と同時に録音していた事です。つまり最初から既定のフラワーイベントだった訳です。