極限。
★★★★★
音数を絞り込み、無駄をぎりぎりまで省いて普遍性を目指すのが殿下の真骨頂ですが、一音一音、タイコの微妙な音質まで徹底的に追求したアレンジが味わえるのは、このアルバムだけではないでしょうか。だから私は、プリンスを知らない人に、”代表曲は何ですか?”と、聞かれた時、”Kiss”です、と、答える様にしています。もっと好きな曲、いっぱいあるんですけど、創造力、エンターティナー性、究極のアレンジという意味で、殿下の本質を伝えたくて、そう言っています。皆さんにとっての代表曲は何でしょうか?ちなみに私の25年間のプリ生で、プリ友になってくれた人は未だに一人もおりません(泣) でも、わざわざこれを読んでくれたあなたなら、わかってくれますよね? ねっ、ねっ。
聴きやすいです。
★★★★★
プリンスのアルバムは、20枚以上持っていますが、その中から1枚だけ選ぶのは至難の業です。何せ、あのプリンスです。あまりにも《独創的》な傑作群に、思わず目眩がしてしまいます。その中でも、聴きやすさと、クォリティの高さで言えば、やっぱり、このアルバムでしょうか?プリンスにしては、《薄味》の作品なので、興味のある方には、オススメの傑作です。
常人の私には難解か?
★★★★☆
自身主演映画のサントラです。当時はこう思いました。「このコスモポリタン志向はなんだ!Funkyだけでは物足りないのか?」(映画の中では肌の色も
住む世界も違う女性を惑わす異分子を演じています。)でもキーになる曲はやはりFunkに帰結するのでした。それも贅肉ごっそり落とした骨組みだけの
楽曲 です。 何故このほぼハイハット・ドラムリバーブ・カッティングだけの曲がPOPチャートを制覇したのでしょうか?、
それは歌詞がチャーミングなのも一因でしょうし、彼の技術(楽曲の不純物ろ過)は超一流なので残りシロは私達にとって無意識の内に美味だったのではと私は考えます。
アルバム全体に言える事ですがテーマは構造の解析とミニマイズの追求にあるように感じられます。メロディよりもテクスチャ、コードよりタイミング、カラーより白黒?
という具合に。ポップフィールドでのやる事を全て終えて趣味追求に本気を出している彼へのメンバーの緊迫感も曲間に伺えます。Kissが素晴らしいのは間違いないですが、
ブレンドが複雑でアルバム全体は20年経った今も正直判断は下せません。どうも判ったふりに自分が陥りやすいアルバムのような気がします。(人に勧めたいが良さを具体的に表現するのが難しい。)
ドコが失敗なのだ?
★★★★★
1986年に全米3位となったヒット作。
プリンスは後に本作に対して「「KISS」以外は失敗だった」と述べていましたし、実際にセールスも『パープル・レイン』の十分の一程度でしたが、私は本作は名盤だと思います。確かに『パープル・レイン』は売れました。黒人でありながら白人ミュージシャンの領域であるポップロック的なアプローチに挑戦した事も賛辞に値するでしょう。しかし本作で注目すべきはプリンスの回帰的アプローチ…No.1ヒット「KISS」に見られる様に、プリンスはブラック/ファンクに著しく傾いたロック世界を構築したのです。凄い事ですよ、コレは。プリンスのキモはロックにファンクを融合させるだけでなく、自由にその混合割合を完璧なカタチで調節できるトコロにあると思います。ロック:ファンク=9:1が『パープル・レイン』ならば1:9が本作『パレード』なんです。今までにこんな芸当をやってのけたミュージシャンがいたであろうか?プリンス…恐るべきデス。
本作もプリンスの映画のサントラですが、プリンスの名誉の為にも映画の内容には触れるべきではないでしょう。あらゆる意味で観ていて「ツラい」映画でした。反面、プリンス自身の批評にかかわらず本作の出来は素晴らしい。この後、プリンスのアルバムは「ロック割合」が多いものがメインとなるので、ファンキーなプリンスを楽しみたい方は本作を聴くべきです。初めて聴いた方は大抵面食らいます。それほどカルチャーショッキーなアルバムです。
天才プリンスの最高傑作
★★★★★
『purple Rain』の記録的大ヒットのあとに、85年『Around The World In A Day』、そして86年に『parade』が発表された。『parade』も評価は大きく分かれ、商業的にも落ち込み、プリンス本人も全米第1位の「KISS」以外は誇れるものがないといったが、個人的にはプリンスの数々の作品の中でも上位である。まずこのアルバムは曲ごとにとても曲調画変化し、特に「KISS」はほとんど裏声で歌い上げ、その歌い方以外にはこの曲にあう歌い方はないだろう。このアルバムは理解するのに時間がかかったが、理解できた今となっては最高のアルバムである。理解できないと思ったら、とことん聞いてみて欲しい。必ず『parade』の魅力に取り憑かれる事だろう。