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ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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視点はよいが分析が中途半端 ★★★☆☆
非常に期待して読んだ。
保守とリベラルが共和党、民主党にそれぞれ対応するというわけではない点、かつては、北部の資本家が共和党、南西部の農民が民主党であったが、現在ではそれが逆転している点など、自分のこれまでからの疑問点が多く取り上げられていた。しかし、説明が不十分で、断片的なインタビューが多く、そのような疑問に対する説明が少なかったことが残念である。せっかく、興味深い視点を取り上げておられるのだから、インタビューの紹介に頼ることなく、信頼できる分析をしてほしかったと思う。

アメリカの2年前 ★★★☆☆
ブッシュ時代のアメリカ 分断の時代だったようです。

今は?
アメリカの本当の顔 ★★★★★
以前産経新聞で連載されていたルポに、著者が大幅に加筆改稿したものです。
取材時期は、アメリカのジョージ・W・ブッシュが主要メディアのネガティヴ・キャンペーンにも関わらず圧勝で再選した直後。著者は、ルート66と呼ばれるシカゴからロサンゼルスまで通じるあまりにも有名な道路を旅します。その途中で通り抜ける中西部は、ハートランドと呼ばれる保守王国です。道中で著者は、ブッシュを勝たせたアメリカの保守派を取材していきます。
そこに暮らしていた人々は、国の歴史と伝統、地域のつながりを大切にして素朴に質実剛健に暮らすアメリカの小市民姿でした。中央政府(ワシントン)の介入とバラマキを嫌う、自立心旺盛な人々でした。“小さな政府”を支持する彼らにとっては、ブッシュですらリベラルだというのです。
日本では、アメリカというとニューヨークやロサンゼルスなどの都市部で暮らすリベラルな人々ばかりが報じられています。しかしそれでは、アメリカの顔の一部しか見ていないことになると思います。本当のアメリカを知るには保守派を知るべきである。そう思うのです。オバマが大統領になった今でも。
アメリカの政治思想に対する知識不足 ★★☆☆☆
 読み物としては面白いが、解釈や感想の範囲を超えて著者のアメリカ政治思想に対する間違った講釈や、用語の使い方にイライラさせられる。予め「知識ゼロの者が現場に飛び込んだ」と但し書きがあれば読者にとって害はまだ少ないが、留学経験アリの新聞記者の手になるものとなれば一般読者層はこれが正確な知識と勘違いしてしまうだろう。アメリカに「リベラル」はいても「リベラリスト」は存在しない!現場に行く前に著者はもっと日本人によるアメリカ政治の本(←おうおうにしてこの本の著者と同じ類の間違いが多い)ではなく、アメリカ人が書いたアメリカ政治の本を読んで、教科書レベルの予習をすべきである。空気が読めず、場違いな質問をする著者にさぞかし取材を受けたアメリカの保守たちは当惑したことだろう。
アメリカ「保守」に関する入門書として良書である ★★★★☆
日本におけるアメリカ保守派のイメージと言えば、
中絶・同性愛反対、死刑制度維持、銃規制反対、移民反対、差別容認、進化論否定…
あたりでしょうか。これら全部を合わせると、好戦的、頑固、偏屈、偏狭な輩に思えてしまうが、本書によると、もっと素朴で家族や伝統を大切にする人物像が浮かび上がる。分かり易くいうと昔のTVドラマ「大草原の小さな家」みたいな感じでしょうか。
もっとも、3億の人口と多数の人種を抱える国なので、これも「ある一面」でしかないが。

日本の「保守派」にはアメリカ共和党・保守派支持派が多いが、そんな彼らに読んで欲しい本だ。日本の保守思想とアメリカの保守思想は、正反対と言って良い程に違う。
例えば、アメリカは「小さな政府」だが、日本は「中央集権・大きな政府」だ。
教育では、アメリカは「家庭教育」を重視し学校に頼らないが、日本では学校で道徳や愛国心まで教えようとしている。
国が違えば歴史や宗教が大きく違うのだから、同じ「保守」とはいえ、全く違うのは当たり前なのに、日本の保守派はアメリカ保守派を支持し、リベラルを嫌悪する。
外国を知ることは、日本を知ることに繋がる、と思わせる良書だ。
新書らしく平易な文章で書かれており、読みやすいこともGOOD。