大人な昭和
★★★★★
舟木一夫ら御三家や三田明をクラスの上手い奴が昼休みに歌って、女子の人気を博したのは中学時代。思えばこの頃から歌謡界に限らず、世の中ヤングパワー(古いねェ〜)が台頭してきたのではないか。
そんな真っ只中を生きてきながらも、オジさんというより初老・中老の域に達した今、ヤングな昭和のちょっと前、若者が大人に憧れ、早く大人になりたかった時代の歌がやたら懐かしい。俳優も歌手もみんなずいぶんと背伸びしていたものだ。だからこそいい男、いい女はエヘラエヘラしてないで、世の中えらくお洒落で落ち着いた雰囲気だった。
利益至上主義の会社から見放され、パソコンの前で若造に馬鹿にされ、でも、そんな時ヤケ酒なんか飲まないで、このCDを聴きながら「フッ、俺はこんな昭和を知ってんだ」と独り言つのもよろしいかと。