絵柄・描画力はいいのだけど
★★☆☆☆
絵柄は、さすがに霊威を描くようなシーン(三輪山、前方後円墳、大嘗祭)は迫力があって、
ヴィジュアルで古代史イメージを見たい、という願望は満たしてくれます。とくに、箸墓神話もイメージぴったりで、大嘗祭はやや俗に描きすぎかもしれませんが、儀式性をうまくつかんでいます。
ただ、いかんせん、歴史解釈(倭の五王や、稲荷山鉄剣など)がオーソドックスすぎて、しかもそれが確定したかのようなシナリオになっているために、注意は必要ですね。武=雄略、興=安康、珍=反正など、結局、ありきたりの通俗的な「歴史」になってしまうのです。
古代日本の原郷の風景や、大和盆地、さらには古墳の詳細を御大の絵で見られるので、そうしたイメージ、描画に関してはオススメできます。