私は他の方のように論客ではありませんのでひとつだけ・・
いい、とにかくいい！ウィリアムとローラの老いらくの恋が・・

殺伐荒涼絶望的な物語進行の中で少しだけ救いというか息抜きを
求めたくなった時に良いタイミングでこの二人の絡みが出てくるあたりが
なかなか乙なものだと思ってしまいました。

少々ネタバラシ的で申し訳ありません。

ネタばれあります。

まず、あいかわらずの映画以上の戦闘シーンの質の高さに拍手！！
個人的にはスターウォーズよりもこちらの方が好みです。

ただし、このドラマはＳＦでありながら、テーマは人間性が主となります。
長きに渡り続いた戦闘の果てに出した答えは、人間とサイロンの共存でした。
サイロン＝悪、人間＝善、という形で始まった物語ですが、話が進むにつれ
人間の醜態が次々と描かれていきます。

この最終章では、サイロンにも善が存在し、人間の心にはサイロン以上の悪もいる
と言う事を明確に描きました。
最後も目的達成！！みたいな終わり方ではなく、哀愁を漂わせている感じが好きです。

ラストはいくつかの謎も解明はしてくれましたが、バルターがみてきた幻影とスターバック
に関しては、人により捉え方はさまざまかも知れません。

ドラマは映画とは異なり、先行き不透明な所があります。
都合上、脚本を一から練り直さなければならない時もあり、必ずしもすべてが思い通りに運ぶとは限りません。
そんな状況下でも、まったくテーマ性がみえない、うすっぺらい映画とは比べようがないほどのドラマに仕上がっていると思います。

ザイロンVS人類の構図で開幕した第１シーズン、怒涛の展開を見せる第２、酸素欠乏になりそうな息苦しく重い第３シーズン。常に予想を裏切り続けた驚異のＳＦドラマが遂に完結です。最後まで、善悪や愛憎といった概念や境界線さえも変えさせる迫真のドラマに仕上げてあり、リメイク版がオリジナル版をはるかに超えた稀有の作品でした。さぞ演技者も大変だったでしょう。
３枚の特典ディスクも魅力で、特に最終話「黎明紀（前後篇）」のエクステンド１５３分版は、製作者の思い入れが伝わってきて、あらためて感動出来ます。現時点までに映画・ＴＶで作られた「ＳＦファンタジー！」の最高作です。