忘れられない贈り物
★★★★★
2007年夏の甲子園はきっと誰もが忘れることができないだろう。
無名の公立高校が全国制覇を成し遂げた「がばい旋風」。
第一日の第一試合から彼らの伝説は始まった。
誰も予測できなかったドラマがここから幕を開ける。
全ての試合でドラマを生んだ佐賀北ナイン。
しかし彼らは浮かれることはなくいつも平常心。
そして優勝を果たした彼らには美談が付きまとう。
確かに高校野球の常識を覆すような出来事だったようだ。
しかし、このドラマは奇跡でも偶然でもない。
彼らの日々の努力が積み重なってできた必然の記録なのだ。
そんな彼らを淡々と取材していくうちに見えてきた真実の姿。
監督、部長の野球に対する真摯な姿勢、球児らの人としての誠実さ人間らしさ子どもらしさ、そんな彼らを時に冷静に、時に情熱的に何の飾り立てもしないで赤裸々に語る魅力的な一冊だ。