『酒日誌』に次ぐ第二弾です。
連載が（今は亡き）ダカーポから小説現代に引き継がれたということもあり、
前著よりも作家の登場が目立って感じられ、その点は読者層を意識しての、著者なりの
サービス精神のあらわれとは推測できますが、登場する小説家のいちいちに、「〜先生」と
ことさらな敬称を付けています。
とはいえ、読み進むとわかるのですが、そんなイヤミな敬称を付けない作家も登場するわけです。
いえ、イヤミというよりも、もう少し精確にいえば、著者の観察眼による「愛すべきキャラ」
という意味も含まれてはいるのでしょうが、では、まったくイヤミが入っていないかといえば、
おそらくそんなことはないでしょう。
＿＿で、瑣末な事柄を（実は瑣末では決してないのですが…）クドクドしく書いてきたかと言えば、坪内ファンとしてはやはり、このような
著者の記述は、似つかわしくないと感じてしまうからです。
もうひとつ。前著でも引っかかったのですが、字数的制約や文章のテンポがあるのは理解できますが＿「バカうま」「ウマいぜ」は、
もうやめませんか？
以上の事柄を除けば、相変わらず面白いんですけど。