で、本作だが、そのレギュラー・クインテットの最高傑作である。J.J.の流麗なトロンボーン・ソロをたっぷりと聴ける内容で、まさに熱演の連続。エルヴィンのダイナミックなドラミングにも興奮させられる。トロンボーンは扱いの難しい楽器だが、J.J.はそれを完全に自分の体の一部にしている感があり、驚異的なテクニックに感嘆、そしてあふれんばかりのアイデアには、ため息が出る。これはトロンボーンを志す人、トロンボーンの魅力に触れたいと思っている人にとって、バイブルともいえる作品だ。(市川正二)