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幽霊のような子―恐怖をかかえた少女の物語

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 早川書房
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人形が効果的 ★★★★★
本書では人形が、非常に効果的に登場します。
特にクロークルームで人形と遊ぶ、8歳の主人公ジェイディの姿に、背筋がぞっとしました。
初めて人形で遊んだ時は、人形を優しく守ってあげようとするのに、2回目には同じ人形を虐待し始める。
子供の遊びは、その子の日常や内面を反映していると思います。
彼女の混乱した内面、抱えている恐怖を思うと心が痛みます。

http://www.torey-hayden.com/japan/index.htm
はトリイ・ヘイデンの公式ウェブサイト(日本語)です。成長した子供達の現在の事などが載っていますよ。

「サッシャ人形」というのがどのような人形なのか分からず、調べたところSasha Dollの事だと分かりました。
現在は製造されていないので入手は困難ですが、今でもアメリカやヨーロッパでは根強いファンがいます。
どうしてトリイが8体も持っているか理解出来ます。私も4体入手しました(笑)
子どもの恐怖とはなにか ★★★★★
高校時代に読んだトリイの物語をまた読みたい、そう衝動的に思って購入したのが本書。
数年ぶりのトリイの世界に私はすぐに引き込まれてしまいました。

以前読んだのは「檻のなかの子」でしたが、静かに問題を解いて少しずつ光が射していく前作とは違い、
この物語はショッキングでグロテスクな雰囲気が所々に散らばっています。
嫌悪感に蝕まれながらも家族を愛そうとして、壊れてしまったジェイディの静かな叫びを
トリイは真正面から受け止めて、聞いて、共に悩みながらも前に進んでいきます。
少女が真っ直ぐに立って大人たちの中に入り込む覚悟ができたときわたしは鳥肌が立ちました。
その訴えに法的なジャッジが下されたとはいえないけれど、最終的な着地点はひとつではない。
特に家庭内暴力などの決定的な証拠が見つけにくい事件のケースなどではそう感じました。
このケースで重要なのは虐待を受けた子どもの今後の人生であり、トリイは最善を尽くしたのだと思います。

彼女の本を読むといつも価値観が変わります。
今回も社会の暗い問題を肌に感じた忘れられない一冊になりました。


私にはウケませんでした ★★★★☆
シーラシリーズでトリイのとりこになり、他の作品も読み始めましたが、この作品はいまひとつでした、なのに4つ星をつけたのは、総合的な評価を下げたくないからです。
なぜ、いまひとつかというと、あまり人間ドラマ性が感じられなかったからです。それから、トリイの文章は少し読みづらいです。
続きを知りたくて知りたくて!! ★★★★★
真実が知りたくて、夢中で読んだ。特に後半。彼女が真実を語れるのかどうか・・。
本当に背筋の凍る話。彼女の異様な姿勢!ビデオに写った衝撃の映像!ゾッとするのとワクワクする気持ちが同時進行・・。こんな本って他にない・・。
舞台がアメリカならではの話かもしれない。オカルト。大きな国であるだけに、色んな人種、考え方、色んな組織、色んな怪しい集団が、あるのかも・・。今回もトリイは最善を尽くした。個人的に、アメリカの多種多様な組織の存在と問題を感じさせる、非常に興味深い内容であった。
現実だから、全ては解明出来ない ★★★★★
読むと、主人公ジェイディのクロークルームで繰り広げられる不思議な世界の片隅に、私も息を殺して潜んでいる様な感覚に捕らわれました。知能は普通なのに、蜘蛛と隙間を恐れる現実の認識が歪んだジェイディ。ジェイデイの闇に包まれた謎を焦らずに紐解いていくトリイ。オカルトの存在を考慮する自分を常識が邪魔したり、結局トリイはジェイディの背景に何があったかは見抜けなかった、という所が本当に現実的。そしてジェイディの家から証拠は発見されなかたが、数年後に幼児に猥褻行為を働いて捕まった父親。もしジェイディがあのまま両親の元で育っていたら…と考えると、身の気がよだちます。主人公のジェイディが凄く魅力的に描かれていると思います。