私たちの地球
★★★★★
オールカラー。大変きれいで分かりやすいイラスト、豊富な写真、そしてグラフを交えて、地球の仕組みを紹介する。ぱらぱらとめくっているだけで楽しく、徹底図解という副題通りの本である。
地球の内部構造と地震波を使ったその調べ方。地球を覆うプレートとその活動の仕組み。ウィルソンサイクル。ホットプレートとコールドプレート。地球に磁場が出来た仕組みとその変化。マグマができるメカニズム。地球の大気の変化がもたらした環境の激変。生物の歴史と地球環境。カンブリア爆発。スノーボール仮説。P-T境界。地震と活断層と津波。化石。石油や各種鉱物。岩石の種類や地層。放射年代測定の原理。海洋。深層流。大気。地磁気圏。
もうひとつ良かった点を上げておくと、単に名称や事実だけを羅列しているのではなく、「どうしてそうなるのか」という因果関係や理由の説明をきちんと行っている点が挙げられる。しかも、それが簡潔で、なかなかわかりやすい。各種のイラストとのコンビネーションも良く、総合的に読者の理解を助けるように書かれている。
見た目はとっつきやすく理解しやすくできている一方で、歯ごたえのある内容も含まれており、読者の知的好奇心をしっかり満足させてくれる。きれいに印刷されたページをめくりながら、最後まで飽きずに面白く読むことができた。おススメ。
最新地球科学の便覧
★★★★★
最近の地球科学は面白くなってきた。
その成果をざっと知るにはこの本が最適だと思う。
地球の歴史から身近な地形までほとんどあらゆる事項を網羅している。
日本の活断層の分布もわかる。
地学の勉強に適した景勝地や博物館も紹介されている。
ただし、この本をみて面白いとか便利と感じる人はすでに地学がかなりわかってい
る人だろう。
生物大量絶滅の「ビッグ・ファイブ」とか、スノーボールアース仮説、
プルームテクトニクスなどがどうして生まれてきたのかは、もっと詳しい
本を読む必要がある。(例えばNHKの「地球大進化」シリーズ。)
153ページの5−14表で、オルドビス期とシルル期の順序が逆転しているのを
訂正して欲しい。
生物学徒にもオススメ
★★★★★
宇宙の果てがどうなっているのか、相対性理論とは何か、などについては読んだことがあっても、自分たちの足の下のことについてはさほど興味が湧いてこない人が多い。けれども本書を読んで、地球についての最低限必要な知識だけは得ておきたい。地球を理解することは生命の進化を理解することでもあるからだ。