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理念が独自性を生む

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: ダイヤモンド社
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優良企業とは。 ★★★☆☆
TKCの経営指標の中にある優良企業を調査し、優良企業のその所以を解いた本。
卓越企業をつくる7つの原則が書かれている。

一般化していくと、結局辿り着く所は同じ感じがあるのだけど。
優良企業にカテゴライズされる会社の多くは経営理念を持っている。
経営理念の構築には10年程度かかるという結果が出ているようだ。

経営者が個人的欲求から社会へ対するメッセージを持ったときに経営理念は構築されるとのこと。

ここで大切なのは、経営者への本質的な問いかけ。
著者は問いかけを2種類に分類している。
積極的問いかけと消極的問いかけ。
前者は例えば、夢、願い、憧れ・・・etc
後者は例えば、疑問、不安、苦しさ・・etc

この問いかけがBGMのように生涯にわたり鳴り続けるという。
この問いかけをコントロールすることが優良企業への道かも知れないと思えた。


経営論をデータで裏付けられるのだろうか ★★★☆☆
全体として、著者の長年の研究の成果により、経営理念論としては非常に良く整理されており、勉強になる本である。ためになりそうなヒントがたくさん見受けられた。

しかし、理念と利益の因果関係をデータから論証しようとしているところに、無理がある。たとえば、43頁の図表2-1で、経営理念がある会社ほど利益を出していることを示そうとしているが、これは「売上規模や経常利益額が大きい会社ほど、理念があると答える率が、高い」ことを示しているに過ぎず、「理念がある会社は、売上規模や経常利益額が大きい」ことの証明にはなっていない。

このように、データ分析手法に疑問を持たざるを得ない。他にも例はあるのだが、総じて、
  (1)売上額(あるいは経常利益)の高いことと業績がよいことを、混同して論理展開していること
  (2)各種要因が業績に反映されるタイムラグを無視して、調査時の財務データを使用していること
  (3)各種要因と業績の因果関係は、図示しているだけで、論証は行っていないこと
  (4)使用しているデータの対象からは年商500万円未満、100億円以上の企業が除かれているにもかかわらず、事例として、イエローハット、京セラ、ヤマト運輸などの大手企業も含めて挙げていること、の4点に、論旨の不整合を認めざるを得ない。

データを参照せずに経営論を展開している部分(ページ数としては、そちらの方が多い)には、参考になる意見が多く、本書のタイトルにもなっている「理念が独自性を生み、独自性が利益を生む」という主張にも、直感的に同意できるだけに、それが、膨大なデータに裏打ちされているという印象を与えていることで、かえって本書の信憑性を傷つけるリスクを抱えているところが、非常に残念だ。