妹を意識しすぎ?
★★★★☆
アイルランド出身のトラディショナル・ミュージック・バンド、CLANNADのリード・ヴォーカリストであり、ENYAの姉の、’99年発表の4th・ソロ・アルバム。
ソロ活動も活発で、これまでの成果がよく表れた壮大なスケール感を持った作品だ。
テクノロジーの使い方も板についた感じで、それに楽器の生のサウンドが巧くブレンドされており、テクノロジーをふんだんに使いまくるENYAの作風とは、このあたりで差別化を図っているように思う。
しかし逆に、それだけENYAの作風に近づいているとも言えるのだ。特にヴォーカルは、歌いまわしからエコーの掛け方までENYAに酷似している。
また、本作は民族、宗教といったテーマで作られているようだが、そのコンセプトに何処か気負ったのか、楽曲の完成度が若干落ちた気もする。
内容的には悪くないし、バンドでは出来ない音楽なのでソロ作品らしいとは言える。けれども、それがENYAに近づいていってはいかがなものか。
手の込んだ丁寧な作りで、力作なのには間違いない。それだけに、今後求められるのは、本当のオリジナリティであろう。