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モーム語録 (岩波現代文庫)

価格: ¥3,039
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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編者の半世紀に及ぶモームとの密な付き合いが生んだ労作 ★★★★★
 労作である。小説、演劇、随筆などあらゆるジャンルに及ぶモームの作品から現代人に興味深いパッセージ400点を選び抜いた編者の努力は並大抵のものでなかったに違いない。「意のおもむくままに行動せよ。ただし、街角の警官がいるのを忘れるべからず」とか「人生最大の悲劇は、人が死ぬことでなく、愛が死ぬことだ」とか「同じ人間の中に、卑小さと偉大さ、意地悪と親切、憎悪と愛情が混然と同居している」とかの簡潔な格言、箴言よりも、むしろ一頁前後の読みでのある文章の方がずっと多くて、モーム・アンソロジーという感がある。多少ともモームを読んだことのある人なら知っているモームの発言だけでなく、初めて紹介される新聞への寄稿からも取られている。行方氏は執筆に三年かかったと「あとがき」で述べているが、実際は氏の半世紀に及ぶこの作家との密な付き合いがあって初めて生まれたものである。
 名言などというと、普通は賢者が教え諭すような印象があるのだが、本書にはそれがない。モームは非常に謙虚で、読者より高い所から語ることがない。人間、人生、芸術、哲学、宗教について忌憚のない見解を披露するのだが、常に「これが最終的に正しい意見かどうか絶対の自信など持ち得ない。他の考え方があるのは当然だ」という姿勢が維持されている。引用されている文章に東方の王の挿話がある。王は人生の歴史を知りたいとして賢者に五百巻の書を選ばせたが、読む余裕がなくて要約を命じる。賢者は苦労して五十冊に纏めるが、忙しい王はそれも読めない。最後に一冊の本すら読めなくなった病床の王のために、賢者は一行に纏めて口頭で「人は生まれ、苦しみ、死ぬ」と教える。「モーム語録」は、多くの読書をする余裕のない人々のために、編者がこの賢者に倣ってモーム文学のエッセンスを、一冊に纏めてくれたような錯覚に陥った。
大人の人生観を味わいたい方のために  ★★★★★
『人間の絆』『サミング・アップ』等、モーム作品の名訳を出されている行方昭夫氏が、モームの全ジャンルの作品より選んだ言葉を選び編んだもの。人生観、恋愛観、芸術観から、訪れた土地、出会った人の印象にいたる広範囲の話題についてのモーム名言録といえるものであろう。かれの皮肉さに反発する向きもあろうが、地に足着いた大人の見方とはこういうものと思わせる言葉が並んでいる(さらにいえば、控えめに差し挟まれている行方氏の注にも、同じ大人の余裕、熟成が感じられる)。評者としては英語の文体論(現代の作家・批評家には是非見習って欲しい所)、および人物論中の(イグナチオ・ロヨラに関するコメントが興味引かれた(確かにモームは硬直化した宗教には否定的なようだが、宗教家の人間的側面というものには興味があるようだ)。かつて受験勉強でモームに触れた世代の人々は、人生経験を経た今あらためてかれの言葉を味わえるだろうし、若い人なら世慣れた叔父さんからの忠告としてかれの言葉を読めるであろう。その意味で広い年代の人に勧めたい。
編者の半世紀に及ぶモームとの密な付き合いが生んだ労作 ★★★★★
 労作である。小説、演劇、随筆などあらゆるジャンルに及ぶモームの作品から現代人に興味深いパッセージ400点を選び抜いた編者の努力は並大抵のものでなかったに違いない。「意のおもむくままに行動せよ。ただし、街角の警官がいるのを忘れるべからず」とか「人生最大の悲劇は、人が死ぬことでなく、愛が死ぬことだ」とか「同じ人間の中に、卑小さと偉大さ、意地悪と親切、憎悪と愛情が混然と同居している」とかの簡潔な格言、箴言よりも、むしろ一頁前後の読みでのある文章の方がずっと多くて、モーム・アンソロジーという感がある。多少ともモームを読んだことのある人なら知っているモームの発言だけでなく、初めて紹介される新聞への寄稿からも取られている。行方氏は執筆に三年かかったと「あとがき」で述べているが、実際は氏の半世紀に及ぶこの作家との密な付き合いがあって初めて生まれたものである。
 名言などというと、普通は賢者が教え諭すような印象があるのだが、本書にはそれがない。モームは非常に謙虚で、読者より高い所から語ることがない。人間、人生、芸術、哲学、宗教について忌憚のない見解を披露するのだが、常に「これが最終的に正しい意見かどうか絶対の自信など持ち得ない。他の考え方があるのは当然だ」という姿勢が維持されている。引用されている文章に東方の王の挿話がある。王は人生の歴史を知りたいとして賢者に五百巻の書を選ばせたが、読む余裕がなくて要約を命じる。賢者は苦労して五十冊に纏めるが、忙しい王はそれも読めない。最後に一冊の本すら読めなくなった病床の王のために、賢者は一行に纏めて口頭で「人は生まれ、苦しみ、死ぬ」と教える。「モーム語録」は、多くの読書をする余裕のない人々のために、編者がこの賢者に倣ってモーム文学のエッセンスを、一冊に纏めてくれたような錯覚に陥った。
大人の人生観を味わいたい方のために  ★★★★★
『人間の絆』『サミング・アップ』等、モーム作品の名訳を出されている行方昭夫氏が、モームの全ジャンルの作品より選んだ言葉を選び編んだもの。人生観、恋愛観、芸術観から、訪れた土地、出会った人の印象にいたる広範囲の話題についてのモーム名言録といえるものであろう。かれの皮肉さに反発する向きもあろうが、地に足着いた大人の見方とはこういうものと思わせる言葉が並んでいる(さらにいえば、控えめに差し挟まれている行方氏の注にも、同じ大人の余裕、熟成が感じられる)。評者としては英語の文体論(現代の作家・批評家には是非見習って欲しい所)、および人物論中の(イグナチオ・ロヨラに関するコメントが興味引かれた(確かにモームは硬直化した宗教には否定的なようだが、宗教家の人間的側面というものには興味があるようだ)。かつて受験勉強でモームに触れた世代の人々は、人生経験を経た今あらためてかれの言葉を味わえるだろうし、若い人なら世慣れた叔父さんからの忠告としてかれの言葉を読めるであろう。その意味で広い年代の人に勧めたい。
私には、難しいと思いました。 ★★★☆☆
私には、難しいと思いました。