今さらながらレビュー！
自分はSound Horizon、そしてRevoさんの大ファンですが、ポカフェリを聴いて全巻集めてしまうくらいガンスリも好きになりました。

・全11曲。インスト3曲、イタリア語の歌2曲、キャラソン6曲。声優はアニメ1期の方達です。
・共通のメロディー、銃声等のSE、ナレーション、台詞などSHファンにはお馴染みの要素が満載。
・歌詞は原作から引用されたものが多い。イタリア語の歌は日本語訳しか歌詞カードに載っていませんが、切なくてよい歌詞です。
・SEで銃声の消音器を表現したり曲名が対称だったり、色々なところにRevoさんの拘りが感じられて面白いです。
・Revoさん、相田さん、声優の方々のインタビューが歌詞カードにちょっとだけ載っています。

SHの曲は聴けば聴くほど神憑ってくるので、何度も繰り返し聴くのがお勧め。
ガンスリのファンの方やSHを全く知らない方は、試聴してから購入を検討したほうが安全だと思います。

キャラソンはキャラクター解説文をそのまま写し取ったかのような歌詞が目立ち
苦笑してしまいましたが､効果音や台詞を挟みながら(特に銃声や薬莢の転がる音が良い)
舞台劇のような雰囲気を醸し出している演出はなかなか興味深かったです｡
ただ､台詞と音楽の音量の差が大きく､聞きづらかったり､突然大音量になったりするので
困惑してしまいました｡

音楽はアコースティック演奏とオペラを彷彿させるような
上品で丁寧な音作りになっていて､正直驚かされました｡
もし雰囲気を重視したいお店などでかけたとしても､十分通用する質の高さだと思います｡
個人的にはジャズテイストに溢れる軽快さが素敵な｢6.Pinocchio｣がおススメです｡
キャラソンを省いてかけたら､絶対アニメのイメージアルバムとは
思われないでしょうね｡ただ曲数が少なめでちょっと残念｡

一部軽く歌いすぎてるように感じるかもしれませんが、
ハモリとして（現実に対しての・押し込められた）悲痛な声が入っていたり、
それが徐々に前面に押し出されていく場面では
鳥肌が立ちました。

そうでなくても義体の空虚な悲しさは伝わってきます。小さな幸せも。

流して聞くと気付かない良さもあるので、
じっくり聞くのがオススメです。
自分は細かい部分に気付いた時に余計に感動できました。

ジャケットもそれぞれを本当によく表してますね。
細部まで凝っていて、語り、楽器のみトラック、イタリア語の歌のみのトラックがあり、
また声優さん達の演技力も生きていて、本当に大満足でした。
人を選ぶようですがオススメです。

声優さんの歌が下手、て声が少なくないですが、自分的には少女らしい声優さんの歌声は好きです。
このアルバムの特設サイトに書かれていますが、特にヘンリエッタはＣＶの南里佑香さんの歌声が「上手すぎて」ＮＧが出た、というお話もあり、歌声の拙さも大切な要素なのですね。
そのことも含め少なくとも声優の方の歌声は、キャラの時の声とほとんど大きな違いがないので、まさに義体達が歌っている感じがしますね。

ただ、歌詞は原作を知ると嬉しい部分と苦笑する部分が。
原作のシーンの再現に喜べもしますが、逆に「まんま」てのは…、とも思ってしまったり。

曲順・曲名にもとてもこだわって作られているので、通しで聴くのがお勧めですね。

「ガンスリ」は、聞いたことはあっても実際にコミックスやアニメを見たことがありません。
「Sound Horizonが好き」という視点で聞けば、たしかにサンホラの持ち味は出ています。


ただ、一期や二期のあの「サンホラ」とは趣を異にします。
よって「サンホラがいい！」という方には物足りないような気がします。



ただ、このアルバム自体の完成度は非常に高く、「ガンスリ」の知識がなくとも満足はできます。
ある意味で「ガンスリ」を知りたいと私自身感じたため、「ガンスリ」を知らない人に布教するキッカケとして捉えるのであれば文句ナシです。


「ガンスリ」入門編としては非常にいいと思います。


追記
この後、「ガンスリ」にもハマってしまいました。
ハマるとなお味わいの出てくるアルバムです。