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東京カフェを旅する

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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時間旅行のような ★★★★★
東京のカフェとは、人を包み込んでくれる懐の深い場所だということをこの本に教えてもらいました。
掲載されたお店は、著者による魅力的な写真でその空間を見ることができ、すべて丁寧に描かれ、文学的なテキストで楽しませてくれました。またカフェヒストリーはよく取材されているようで、大変面白いものでした。

お店の歴史は遠い過去のしらない人たちが作ったのではなく、現役で私たちをもてなしてくれる同時代に生きている人たちなんだなと思うと遠い存在のオーナーたちが少し身近に感じられてうれしくなりました。

人と人が出合い、影響し合って新しいことが生まれ、点が線になり面になり新しい文化ができあがる。その一端を担っているのは、場所を提供する側だけでなく客人である私たちの存在があってこそと伝え続ける、読みながら繰り返し著者の思いのようなものを感じました。

東京の街は特に特徴はないのかもしれない。でも東京の街を継いでいく人たちの思いをすべて受けて止めて日々変わり続けているエネルギッシュで心優しい大都会が東京なんだと思います。カフェを軸に街の変遷の面白さを認識しました。この本を読んでいると東京の街が好きになります。

そしてカフェは様々な出会いをくれたんだと自分のことも思い出したりしました。
著者の思いがつまった力作で大事にしたい本です。1冊は保存用にと2冊購入しました。
歴史的洞察と愛情に裏打ちされたカフェ本の秀作 ★★★★★

2000年前後からのカフェブームから日常の一場面としてカフェが認知され
カフェの案内本も繰り返し本屋で見かけることができます
(ミーハーな僕は大体購入してしまうのですが)
いわば消費される情報としてのカフェ本 悲しいかな そういった本が大半

ただ今回の本は違う
カフェとともに年輪を重ねた者だけが書ける内容
川口葉子だけが捉えられるカフェに係わった人たちの群像
彼女の文体で仕上げた東京カフェの歴史的俯瞰
カフェの作り手の思いの内側まで踏み込んで優しくそれを掬い上げる作業
そしてカフェを享受する側としての見守る優しいまなざし
それらが一体となって心地よい構成をなしています

くすんだフィルム的な紙質も写真の風合いも僕のお気に入り
(専門的にはなんというのでしょうか?
 僕は勝手に第一世紀「暮らしの手帖」風と名づけていますが)

消えていったカフェに思いを寄せ
姿を変えたカフェに昔の姿を重ね合わせる
そういう重層的な記述が僕にはひどく懐かしく 甘く すこしばかり苦い

一つ微笑したこと
カフェの年表にラットゴンストアの開店の一文
これをみてあそこで起こった小さなドラマを思い起こせる人がどこかに
必ず居ると思いますよ
あの店主の二人 どうしているのかな・・・・

川口さんへ あなたの本をたどって 少しずつお店を訪問する
ささやかな楽しみが一つ増えたようです
ありがとう