しゃれたスーツを着て「Addicted to Love」のMTVのビデオで女性陣を引き連れていた時期でしか、ロバート・パーマーのことを知らないなら、時代を代表する非凡なボーカリストを見逃したことになるかも知れない。
ロバート・ジョンソンのトリビュート盤『Hellhound On My Trail』に自らが提供したトラックと、フェイ・ダナウェイがテネシー・ウィリアムズの戯曲『黄色い鳥』を脚色した映画に触発されて、パーマーはこのフル・アルバムを発表した。収録曲の大半はあら削りなブルースで、わずかに「Stella」では愛すべきレゲエが少々聴ける。
イギリスの白人少年がブルースを歌うというぞっとするようなスタイルが、ロック界で最も忘れられない、そしてしばしば退屈なお決まりのパターンのひとつになったとすれば、パーマーもまた、その悲しいくらい過小評価されてきた変幻自在のボーカル・センスで、ブルースのスタンダードナンバーや変わり種の曲や最近の曲を集めた本作を輝かせている。その入り込みっぷりは、映画『タクシー・ドライバー』でトラビス・ビックル役を演じるデニーロを彷彿させる。「Hound Dog」のカヴァーは、エルヴィス・プレスリー版よりもビッグ・ママ・ソーントン版に近く、Z・Z・トップの「TV Dinners」とケヴ・モの「Am I Wrong?」のカヴァーは、余分な音を削ぎ落とした泥くさいデルタ・ブルースの哀歌だ。「Crazy Cajun Cake Walk Band」とリトル・ウィリー・ジョンの「I Need Your Love So Bad」のカヴァーには、粘りつくようなグルーヴがあり、聴きごたえがある。
本作は、ひとりの男がいざなう音楽による愛の交歓であり、その男パーマーはブルースをただ単に歌うというよりも、ブルースと心を通わせているかのようだ。そして、パーマーの長いキャリアのなかでも最も驚くべきサウンドを聴かせる1枚でもある。(Jerry McCulley, Amazon.com)
怖いくらいナマなアルバム
★★★★★
円熟をむかえながらも、天才的。
やや矛盾した形容ですが__思わず鳥肌が立ち、そのように直感しました。
Warren ZevonのThe Windを聴いたときとよく似た鳥肌立ち。
とはいえ、二人とも次のアルバムは聴きたくても聴けないけれど。
僕のRobert体験は、パワステ以降のチャートアルバム2枚で止まったまま、それから長く途絶えていました。
それが数週間前、パワステの紙ジャケを買い込んで、ほんとうに久しぶりに聞き惚れ、Robert熱が再燃したわけです。
過去のアルバムをゆっくりとしたペースで、聴いています。
Driveもその一枚として出会いました。
彼の声質が好きだという僕の事情を割り引いても、怖いくらいリアルなアルバムです。
ナマなアルバム、ナマな曲。
ダイレクトにガツンとくるシンガーが、いまはどれほどいるのでしょうか。
泥臭くファンキーでありながら洗練されているその声。
やみつきになりますよ。
まさかこのシャウトが命を奪ったのでは、と思うほどの熱唱。
★★★★★
凄い!パワフル!ブルーアイドソウルの面目躍如。
音楽の醍醐味や豊かさをいつもパーマーは教えてくれます。
1曲目のシャウトなんてこれが致命傷だった訳じゃないでしょうね?って
いうくらい圧巻。
よーく聴くと裏で変な音が鳴ってて凝ってるのもいつものパーマー、で好き。
最後にして最高なアルバムでしょう。
死んだなんて、信じたくない・・・。彼は今も生き続けている。
★★★★★
ロバート・パーマー…。
彼には、まだまだ頑張ってほしかった。
死んでしまったなんて、嘘だと言ってほしい…。
こんなにすごい人はいない!。
正直、日本では「ザ・パワースティション」以外はあまり知名度無いが、
ソロの作品はすばらしい曲がいっぱいあります。
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亡くなられたのは〜2003年9月26日
休暇で訪れていたパリ。
心臓麻痺、享年54歳。
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私自身彼の死を知ったのは、恥ずかしながら半年経過した後・・・。
聞いたときは言葉も出ませんでした・・・。
泥臭いR&Bに始まり〜ブルー・アイド・ソウル〜ニュー・ウェーヴ〜テクノ〜ハード・ロック〜へヴィメタ〜スタンダード〜ジャズ・・・・・・あらゆるジャンルを飲み込み続け、
このアルバムで”原点回帰”のごとく、また、R&Bに戻ってきた。
彼ほどのキャリアとポジションであれば、よくありがちな芸術家気取りの、
仙人にもなれたはず・・・。
でもそんな誘惑にも脇目も振らず、まさに、音楽、歌う事を楽しむ人だ。
こんな言葉が聞こえてきそう・・・。
「能書きなんて要らないよ!。まずは楽しもうぜ!」って・・・。
逆に言えば、その境地に達するまでは、想像以上の苦労と葛藤があったはず。
でもそんな姿を見せない彼も凄い!。
まさにこれからが楽しみだった人なのに・・・。残念無念。
一番悔しいのは、ロバート自身に違いない。
『ラストアルバム』ですから・・・
★★★★☆
圧倒的な歌唱力を持つロバート・パーマーの遺作。
2年前に彼は亡くなっているが、その歌声はこのCDで永遠に再現される。その意味でも聞く意味は十分あると思う。
ブルースに触発されて製作された本作品だがパーマーのこと、いつもの『パーマー節』が加わっており、ただのブルースアルバムではない。
03『WHO'S GET UP』は正にそうで。06『LUCKY』はさらに得意のレゲエテーストを加えた名曲だ。15『STUPID CUPID』はパーマーの骨太ボーカルが前面に押し出た最後の作品かもしれない。
亡くなってしまったのが残念でならない・・・と本当に思われる作品。
ぜひ聞いて欲しい。
興味のある方はぜひ
★★★★★
1曲目の「MAMA talk to your daughter」からやられました。
何度聴いても、あまりのエネルギーにひっくり返りそうになります。
どんなモヤモヤも吹き飛ばしてくれる
楽しく、力強く、気持ちの良いアルバムです。
こんな音楽のできる彼らを素直にカッコ良いと思います。
ずっとロバート・パーマーを聴いている方はもちろんですが
私のようにロバート・パーマーを最近聴き始めた人には
ぜひぜひ聴いてほしいです。
彼の凄さを実感してください。