産能大学の研究グループによるテクノロジー・マーケティングを網羅した標準教科書。当大学では、2004春より通信コースで本科目を開講とのことですので、そのテキストとしてまとめられたと思われます。まず経営戦略の概要に続き、「製品でなくテクノロジーがマーケットを創造」、「ビジネスチャンスを生み出すのはテクノロジーである」という前提で、定義、概念モデル、アライアンス、未来予測手法、製品化手法、開発手法、体制開発、評価技法、収益測定、顧客満足度測定、ライフサイクル管理などなど、数多くの局面から丁寧に説明、分析がなされています。MOTとの関係にも触れられていますが、詳しくは説明されていません。特に、商品開発に関する各種技法については約半分の紙面が費やされており、説明は大変丁寧でわかりやすいです。図表や絵が大変豊富に用いられており、大学の講義を聴くようで理解を助けます。また、それらの図表、分析方法は理論に偏りすぎることなく、実際に実務面で実践、応用できるように、具体的に提示されています。当分野における標準教科書と言えると思います。
技術革新が著しい今日の、経営戦略の中の中核としての商品開発、製品開発と管理に関心がある方には幅広く実務的知識を得るには最適と判断します。