TKCへの誘導本
★★★☆☆
ある課題に対して、結論として、(株)TKCを活用すれば大丈夫、という形になっている部分が随所に見られます。(株)TKCの会計に対する考え方として読むべき本だと思います。(株)TKCへの誘導とも取れるので、内容に対する賛否は慎重にするのが良いと思います。
本書は経営者こそ読むべき
★★★★★
中小企業経営者のなかには税務申告に際し、その付属物として決算書を仕方なく作っている、と思っている人も多い。しかし、複式簿記による決算書は、経営者に対する「自己報告」であり、その本質は倒産防止にある、と著者は説く。まさにそのとおりであり、業績の悪い会社や倒産する会社で帳簿をしっかりつけている経営者にはお目にかかったことはない。ましてや、帳簿がでたらめであれば、当然その成果物である決算書もでたらめなのは自明の理である。それは経営者の意思決定の羅針盤にはならない。
「会計で会社を強くする」、このタイトルから会計人は読むであろう。しかし、それ以上に経営者こそ読むべき本である。そして、本書で提示された事項をひとつひとつ実践することで間違いなく強い会社ができあがるに違いない。
会計の真の目的を知る
★★★★☆
あいかわらず書店では似たり寄ったりの財務会計のテキスト
ブックが溢れている。笑いが止まらない。アカデミックの場では
今だに実務を全然知らないことのあらわれだろう。
財務会計の目的は、投資家への報告にあるのであろうか。
本書では、
「会計の目的は倒産防止にある」とある。
おいおい、私も財務・管理会計の講義をたくさん受講したが、
こんな肝心ないいこと言った先生は、一人もいないぞ。
ドイツ・フランスの人は200年も前に言ってたじゃん。
本書で著者が懸命に研究した会計の真の目的を知って欲しい。
歴史的考察にしても、非常に興味深いものがある。
会計人は全員、読むべきであろう。
景気低迷期には「会計力」が不可欠
★★★★★
この本を読むまでは、企業経営における会計の重要性がよくわかっていなかった。会計は税務申告に必要な知識という認識だったが、5百年以上も前に簿記は商売繁盛のために必要最低限の知識だったとのこと。不況下には経営の基礎固めが重要であり、今の経営には正しい会計数値の入手と活用の仕組みづくり、つまり「会計力」が最優先課題だと思った。軽い会計本が多い中で、ずいぶん読み応えのある本です。
会計の本質がここにある
★★★★★
会計学の書籍によると、会計の目的は「投資家など外部の利害関係者に経営状況を報告するため」とする見解が支配的です。
これに対し坂本先生は、会計条項が制定された歴史的な経緯から会計の目的を「倒産を防止するために経営者が自らに報告するために作成するもの」及び「事業者が行う記帳は、商取引におけるトラブルからわが身を守るための『権利』」と位置付けています。
多くの中小企業が陥っている帳簿や決算書は、「税務署に申告書を提出しなければならないから、仕方なく行っている」という考えから、適時に正確な帳簿を作りそれを有効に活用することは、企業が発展する強力なツールであるとする考えは、いままでにない考え方であり、まさに、「会計で会社を強くする」ということが実感できます。