動物園や水族館に行くよりも、この一冊
★★★★☆
シートンによる野生動物の観察記。
観察記なのですが、内容が専門的になりすぎず、わかりやすい言葉で語られます。
物語や文章の構成も優れており、短編小説を読む感覚でサクサクと読み進められます。
専門的な内容のはずなのにわかりやすい、ノンフィクションなのにフィクションのように読みやすい、動物の観察記の入門書としては最適だと思います。
また、動物園や水族館に行っただけでは到底知りえない、自然世界の厳しさと無情さ、野生動物がもつ社会や掟、生きるための知恵、感情、愛情などが本書ではちりばめられています。
自然が持つ厳しさと公平さ。
自然の中で生きる動物が持つ生命の輝きと知恵の美しさ。
仲間や家族に対する愛情など、動物も感情豊かであること。
など、現代の日本社会や学校教育では気付きづらい要素が詰まっています。
「知育」と「徳育」のためにも、ぜひ子供に読ませたい1冊。
自然や動物に対する理解を深めたいという場合、
動物園や水族館に行くよりも、シートン動物記を読むことをお勧めしたいですね。
この面白さは新鮮!!
★★★★★
子供の頃に大好きだったシートン動物記。久しぶりに読んだ私は内容も当時の自分がどう感じていたのかもまったく覚えていませんでした。子供向けの動物本、と思っていましたが大人が充分楽しめる文章、内容、面白さにびっくり。むしろ「子供の時によくもこんなの読んでたもんだな〜」と思うくらいシャープな文章にシートンの面白さをあらためて味わいました。
野生動物や自然に触れ合う機会のめったにない私には、そのエッセンスに触れる素晴らしい時間を与えられました。そして動物達の賢さ、気高さ、感情の豊かさ・・・動物も人も本当に、本当に同じ生き物なのだなぁと感嘆。野生動物と時には敵対する行動をとりながらも常に愛と尊敬にあふれたシートンのまなざしから書かれる物語は、現代人には「癒し」「気づき」にさえなりえるのではないかと感じました。
もう一つのお楽しみはシートンに自身による美しい挿絵(表紙の画はシートンのそれでありません)。シートンが画家でもあったことを訳者のあとがきで初めて知りました。子供の頃はこの絵にさらにわくわくした事を思い出します。
子供にも大人にも、そしてシートン動物記を読んだことがない、という人にぜひお勧めしたいです。
大人になっての読み直しでした。
★★★★☆
小学生の時、大好きだったシートン動物記が書店で文庫版になっているのをみて、即買いました。
それ以前は子供向けの本しか販売されていませんでしたので、読み直しをしたくても購買するのに恥ずかしくて購入できませんでした。
内容は、当時と変わらないのですが、ロボやワーブにどきどきしながら読んでいたのを頁をめくりながら回想していました。
ちなみに続刊も買いました。こちらは、あぶく坊主がやはり良かったです。
自分の子供も小学校高学年になったら、進めたいものです。
ロボとはスペイン語で狼、英語でWolfのこと。
★★★★★
ロボ(LOBO)とはスペイン語で狼、英語ではWolfのこと。
ニューメキシコのコランポーから始まる物語。
群れで行動する灰色の狼の王様の描写。
動物たちの伝記的小説。
★★★★☆
今年の夏、集英社から刊行されるシートン動物記三部作の第一巻である。
言わずと知れた狼王ロボの愛の物語を初めとして、
灰色グマの話、カンガルーネズミという可愛い生き物の話、大鹿の話が収録されている。
この本の大半は動物の純然たる観察録ではなくてフィクションであるが、
シートンは科学的思考を持った観察家であったそうだから、極端な虚構はないだろう。
文字が大きいので、お子様にも大人にもおすすめの一冊。