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ボーダー・ライン

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店
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   感情を表に出すことなく、銀縁眼鏡をかけたその美形ぶりから「メタルフレームハンサム」と呼ばれている刑事、真行寺佳也。そして弁護士らしからぬ奇抜な服装に身を包みやわらかなテノールで話す、由利潤一郎。由利の示す、あからさまな自分への好意を最初は疎ましく思っていたものの、難事件の捜査にあたる真行寺にとって、次第に由利が自分をさらけ出せる唯一の存在となってゆく…。

   人気作『グレイ・ゾーン』の関連作品。本書では少し時間をさかのぼり、前作では明るい印象が強かった由利の抱えている過去が明かされて行く。由利以外にもロシア人の血をひく灰色の瞳の片岡亜久利をはじめ、ファンにはおなじみのキャラクターたちが多数登場する。イラストは、名コンビである蓮川愛の手によるもの。

   刑事事件を軸にふたりの男たちの交わす愛が描かれる物語そのものは、ドラマチックではあるが、シンプルでわかりやすい。だが登場人物たちがふと心情を吐露する場面に時折顔を出す、著者自身の人生観のようなものがキャラクターに陰影をつけ、本書を味わい深いものにしている。

   驚くほど多彩な形容詞を多用しながら、男たちの容姿にはじまり、状況、行動のひとつひとつ、またその行動に至った理由、心の動きまで、著者はすべてを逃さずに濃密に描いていく。深夜のバーで、甘い妄想が由利の口から真行寺の耳に注ぎこまれていくくだりの、たたみかけるような表現は特に見事。ベッドシーンよりも艶(なまめ)かしい雰囲気を一瞬にして作り上げている。(門倉紫麻)

久し振りに涙しました。 ★★★★★
普通のBL小説にはない切なさと臨場感が味わえ、また萌えもあり(笑)1冊で2度も3度もおいしい一冊です。ネタバレになるといけないので、そんなに詳しくは書けませんが、小説が苦手な自分がこんなに集中して一気に読み上げた作品は初めてです。
私が好きなシーンは「チューリップなのに、由利?」というところです。1冊を見つめなおすと、シリアスなシーンが多い作品ですが序盤にはにんまりとするジョークが混じっていてバランスよく楽しめました。
オススメの一冊です。CDも出ているのですが、こっちもオススメです。
音にするだけでこんなにもイメージが膨らむものとは思いもしませんでした。
『こんな愛は知らなかった』です。 ★★★★★
『こんな愛は知らなかった』です。
グレイゾーンより大人のカップリングです。主人公佳也の由利に対する思い、由利の佳也に対する思いが丁寧に描かれていて、お互いの気持ちが本当に通じ合ったと同時に、閉ざされてしまった二人の未来がとても切ないです。後半に入り、悲しい予感を不安に感じつつ、急展開する事件と高まりあう二人の思い、そして現実となる突然の終局。繰り返される「愛している」の言葉に、胸が痛くなります。
極上のボーイズラブです。ハードカバーで2段組ですが、大満足しました。
笑えてカッコイイ! ★★★★☆
グレイゾーンとリンクしている話です。
私はこちらの方をよりオススメします!
なんといっても、特筆すべきは由利さん! そのファッションセンスたるや大笑いです。私は中を読んで表紙を見て笑ってしまいました。(あんなにかっこつけているのに)

シリアスな事件も組み込まれているんですけど、由利さん独特の雰囲気のせいか、それほど重たい気分にはなりません(笑)。
ちなみに、この方の書くものは、とても『男同士』という雰囲気がします。なにげないシーンでも、読んでてドキドキするのはそのせいかな?

前作とは別モノ。でも良い! ★★★★☆
前作『グレイ・ゾーン』の続編と言われて期待していましたが、読んでみますと時間的には前作の過去にあたり、ある意味では前作とは全く別のお話です。
『グレイ・ゾーン』の本当の「続き」を読みたかった方にはいささか残念かもしれませんが、見方を変えれば前作を読まれていない方でも楽しんで読める一冊、と言えるのではないでしょうか。

『グレイ・ゾーン』の主要登場人物の一人、由利潤一郎さんのラブストーリーです。

長身の美形、切れる頭脳、育ちのよさそうな柔らかい物腰、ユーモアとウイットに富み、それでいて誰もが唖然とするキレたファッションセンスの持ち主・由利潤一郎氏が、真行寺佳也にひかれ、時折普段のマイペースを保てなくなって零れ出てしまう所々の感情表現が魅力的でした。蓮川愛さんのイラストも、相変わらず素敵。

ただ、本のページ数に比して、少しばかりイラスト数が足りない感じがするのが残念でした(T_T)
もっと見たかった・・・。